新しくマイカーを購入する方にとっては、いまやドライブレコーダーの装着はスタンダードになりつつある。事故の際の判断材料として大きな影響を及ぼすだけでなく、防犯面でも社会的インフラになりつつあるのがドライブレコーダーだ。
ご存知の方も多いと思うが、レースの世界ではオンボード映像という形で現在のブーム以前から搭載されてきた。今回、スーパーGT、スーパーフォーミュラに参戦するチームルマンのエースドライバー、大嶋和也にドライバー視点で話を聞いた。
レースではこれまで、車載映像は接触やアクシデントの検証というよりも、ドライビングのスキル向上を主目的として搭載することが多かった。ドライバーによっては自分の走行画像を頻繁にチェックしてドライビングの改善に取り組むタイプと、映像は見ずにグラフ形式のロガーデータを重視するタイプ、そして映像も画像もほとんど見ずに、自らのドライビング時の感覚のみの信じるタイプと、その特性はさまざまだ。
その中で、大嶋はどちらかというと中間タイプに位置するようだ。
「僕は自分の走りはそんなに映像で振り返って見る方ではないですね。どちらかというとロガーデータの方をよく見ています。もちろん、まったくオンボード映像を見ないということはありません。実際に走ってドライビングで気づいたことは頭に残っているので、オンボード映像でその時のことを確認するくらい。むしろ、他のドライバーのオンボード映像の方を参考として見ることが多いですね」
スーパーGTは二人一組でレースを戦うカテゴリーのため、タイムやロガーデータがあるとはいえども、それぞれ、お互いのドライバーがどのようにマシンを走らせているのかは把握しづらい。そんなに時に役立つのが、ドライブレコーダーと同じ役割を担う車載映像、オンボード映像だ。
「スーパーGTでチームメイトのアンドレア(カルダレッリ)も、よく、僕が走ったオンボード映像を見ています」と大嶋が話すように、ドライバーはお互いの走りのよい部分を理解し合うことで、サーキットをより速く周回することができる。
レースだけでなく、大嶋はプライベートでも自分の愛車にドライブレコーダーを装着している。