2016年スーパーGT第5戦富士のGT500クラス決勝レースは、数多くのトラブルやアクシデントがありながらも、カルソニックIMPUL GT-Rが第2戦富士のリベンジを果た、今季初優勝を飾った。
前日の予選日に引き続き、気温33度、路面温度49度という酷暑の中で66周のレースがスタート。ポールポジションのカルソニックGT-Rはジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが前半を担当し、しっかり1コーナーをトップで通過すると後続を徐々に引き離す力強い走りを見せていった。
一方、後方ではトラブルに見舞われるマシンが続出。7周目にはドラゴ モデューロNSX CONCEPT-GTの武藤英紀が左リヤタイヤ付近から白煙を上げスロー走行。GT300のマシンと接触し、アッパーアークを破損。ピットまで戻ってくるが、そのままガレージにマシンが戻されてしまう。さらに前回のSUGOを制したフォーラムエンジニアリングADVAN GT-Rもガレージにマシンを入れてしまった。
10周を過ぎ、カルソニックGT-Rが先行し、S Road CRAFTSPORTS GT-Rの本山哲が2番手で追いかける展開。今回84kgのウエイトハンデを背負っているMOTUL AUTECH GT-Rはロニー・クインタレッリが序盤から3番手を死守するが、さすがにウエイトの影響があるのかペースを上げられず、KEIHIN NSX CONCEPT-GTの小暮卓史とRAYBRIG NSX CONCEPT-GTの山本尚貴が接近。三つ巴の3位争いに注目が集まった。
レースも中盤に差し掛かろうとした19周目、GT300クラスのアールキューズSLS AMG GT3が2コーナーを過ぎたところで、接触の影響でボンネットが飛んでしまうアクシデントが発生。コース上にパーツが落下したため、撤去のためにセーフティカーが導入された。
この段階でカルソニックGT-Rのリードは5秒だったが、セーフティカーの影響でゼロに。それでも25周目の再開時に見事にスタートダッシュを決めてS Road GT-Rとのリードを広げにかかる。一方の本山も遅れまいと2秒前後の差を維持しチャンスを伺った。