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スーパーGT ニュース

投稿日: 2018.07.02 17:26
更新日: 2018.07.02 17:29

D’station Racing 2018スーパーGT第4戦タイ レースレポート

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スーパーGT | D’station Racing 2018スーパーGT第4戦タイ レースレポート

D’station Racing
Race Report 004 – 2018.7.2

天候に翻弄され予選は苦戦も
作戦完遂で貴重なポイントゲット

AUTOBACS SUPER GT SERIES Round.4 Buriram
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June 30 – July 1 2018

 鈴鹿サーキットで行われた第3戦から1ヶ月以上。SUPER GT第4戦の舞台は、タイのブリーラムにあるチャン・インターナショナル・サーキットだ。今年でSUPER GTの開催は5年目になるが、D’station Racingにとっては、昨年3位表彰台を獲得した思い出深い場所。今季も上位進出を狙うべく、チームはタイへと飛んだ。

 酷暑のなかで準備を整え、迎えた6月30日(土)の予選日。タイらしい青空の下で公式練習がスタートしたが、ここでD’station Porscheは藤井誠暢からスヴェン・ミューラーに交代しながら周回。40周をこなし、1分32秒983というベストタイムで8番手につける上々のすべり出しをみせる。タイヤのチョイスについても、決勝で使う種類の選択も終わっていた。

 しかし、午後の予選に向けてサーキットには黒い雲がかかりはじめる。その前の2日間も降っていたスコールの雨雲がサーキット上空に立ちこめはじめたのだ。午後3時からの公式予選まであと45分というところで、サーキットには大粒の雨が降り注いだ。

 これで路面は完全にウエットとなってしまい、排水のために15分間遅れ、午後3時15分に公式予選Q1がスタートした。ステアリングを握るのは藤井で、水量が多いこともあり、軟らかめのウエットタイヤを装着しまずはアタックをこなす。

 しかし、コースはあっという間に乾いていく。さすがにスリックタイヤはまだ無理だが、硬めのウエットが必要だ……。ピットは迅速に判断を終え、藤井はタイヤ交換を終えふたたびコースへ。ただ、Q1の残り時間が刻一刻と近づいていく。藤井はなんとかタイヤが最適なグリップを発動するまで温め続けタイムを縮めていくものの、記録されたタイムは1分43秒934。予選後失格車両が出たため15番手グリッドとなったが、Q2進出はならなかった。

 天候に翻弄された予選となってしまったが、昨年もタイでは後方グリッドから表彰台を得たこともあり、何が起きるかは分からない。それに、予選後チームはこのレースである作戦を採ることを決めていた。それはピット作業時間を短縮できるタイヤ無交換作戦だ。公式練習ではそれを見据えたタイヤの選択も済ませており、あとはそれを遂行するのみ。7月1日(日)の決勝日は心配されたスコールもなく、晴天のなかで現地時間午後3時の決勝レーススタートを迎えた。

 いつもどおりスタートドライバーを務めたのは藤井。1周目には同じポルシェの#9と競り合いながらオーバーテイクをみせると、4周目には#2ロータスを、7周目には#7 RC Fをパス。後方からは予選で失格となった#10 GT−Rが段違いのペースで迫り先行を許すも、トップ10をうかがうポジションにつけていく。

 藤井は後半スティントを担当するミューラーのためにタイヤを労りながら周回を重ねていくが、ただそれでも上位陣とはやや差がある。しかし、作戦遂行のために無理はできない。藤井はベストを尽くしながら30周まで引っ張るとピットインし、ミューラーに交代。チームは迅速なピット作業時間でD’station Porscheを送りだした。

 その甲斐あってミューラーは6番手前後を走行することになるが、その後、前には異なる作戦のライバルが出てくる。また、後方からは#96 RC Fや#34 NSXらが近づいてくる。ミューラーはタイヤをキープしながらも、前後のプレッシャーと戦うことになった。

 しかしミューラーは順位を落とすどころか、前方を走る#2 ロータスに狙いを定めると、54周目にこれをオーバーテイク。ひとつポジションを上げ、最後は8位でチェッカーを受け貴重なポイントを加算してみせた。予選順位を考えれば、作戦完遂での見事なリカバリーと言えるだろう。

 ただ、上位のペースとはやはりやや差があり、このあたりは課題を残したと言える。次戦は長距離の富士。D’station Porscheの強みはレースにこそあり、その点では強みを活かせるレースだ。チームはしっかりと課題に取り組むことを決意し、帰国の途に就いた。

D’station Porsche

D’station FRESH ANGELSの宮本りおさん

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