10月20~21日に大分県日田市にあるオートポリスで開催されるスーパーGT第7戦。このオートポリス戦も含めて、シーズンは残すところあと2戦でシリーズチャンピオン候補も絞り込まれてきた。また、これまで積み重ねてきたハンデウエイトが半分となるのも、最終戦の1つ前となる今レースのキーポイント。そこで、搬入日となる19日(金)、現在スーパーGT500クラスのランキング上位につけるドライバーたちに、週末への意気込みと展望を聞いた。
■唯一、燃リス調整を受けるRAYBRIG山本「今年は過去一番影響が少ないシーズンかも」
前回の第6戦SUGOで今季初勝利を挙げた上、開幕戦と第3戦ではいずれも2位表彰台を獲得して、現在ランキングトップにつけているRAYBRIG NSX-GT。シリーズ初フル参戦のジェンソン・バトンをリードする形で、チームを引っ張る山本尚貴は今回も“いつも通りに戦うだけ”だという。
「もちろんタイトルを争っているので、まったく(タイトル争いを)考えていないということはないですけど、考えたところで何も始まらないですから。ただ勝った後のレースということで、より気を引き締めて、より一層仕事がうまくはかどるように。さらにいい結果を続けられるように努力していきたいと思っています」
「今回、他のタイトルを争っているクルマよりは、当然前でゴールしたいですし、それができれば最終戦がより楽になります。でも、それを計算しながらレースを戦っているわけではありませんし、勝つことだけを考えていれば。シンプルに考えればいいと思いますし、勝ったものがチャンピオンになると思っているので、それだけです」
そのRAYBRIG NSXは、8月28~29日に行われたタイヤメーカーテストでオートポリスを走っている。その時の感触や手応えはどうだったのだろうか?
「メーカーテストの時は、あまり良くなかったですね。気温・路面温度がかなり高かったですし、持ち込んだタイヤがレンジからちょっとハズレ気味だったので」
「もちろん走らないよりは走った方が良かったんですけど、そのデータが丸々生かせられるかというと、そういう感じでもないので、またリセットされちゃうかなと思っています」
「今回の大会に向けては、クルマのセットアップも含めて、タイヤもなるべくピックアップが少ない物を持ち込んでいますが、そこは走ってみないと分からないですね。ただ、週末の天気を見ていると、あまり気温が上がらないようなので、それほどピックアップは心配しなくていいコンディションになるかなと思います」
また、RAYBRIG NSXは、今回の搭載ウエイトが61kgで、唯一燃料流量リストリクター(燃リス)による性能調整を受けるが、その影響はどのように捉えているのだろう。オートポリスのコースは前半と後半、2カ所の上り区間があるわけだが、そのあたりで影響はないのか。
「そこはあまり関係ないんじゃないですかね。関係あったら、(燃リス調整を受けて臨んだ)前回のSUGOで勝っていないですし、今年は特に、うまくセットが決まって、エンジンのパフォーマンスが引き出せれば、あまり燃料リストリクターだったり、ウエイトが効く感じでもないのかなと思います」
「物理的には軽いクルマが有利ですし、僕たちが不利なのは不利なんですけど、過去何年かと比べても、一番(燃リスやウエイトの)影響が少ないシーズンなのかな? と」
「ただ、実際には走って見ないと分からないですね。前回のSUGOも正直勝てるとは思っていませんでしたけど、いざ走り出したら(マシンの)グリップレベルが高くて。それで『うまくいけば勝てるかもしれないな』と思いました。今回も、それぐらい最初の走行が重要だと思います」