悲願のチャンピオン獲得へトップを快走していたコバライネンだったが、残り10周を迎えるところでペースが伸び悩み、5秒後方にいたWAKO’S RC Fの大嶋が1秒を切るところまで接近。WAKO’S RC Fも今季未勝利で優勝してDENSO RC Fが3位以下になれば逆転チャンピオンとなるため、わずかなチャンスを狙ってトップ奪還を目指す。
しかし、コバライネンも昨日果たせなかった優勝を何としても勝ち取るべく、GT300をオーバーテイクしていき、まったく隙を与えない走りを見せトップを死守。最終ラップは1秒を切る僅差となったが、最後まで守りきりトップチェッカー。待望の今季優勝を飾るとともに、スーパーGT参戦2年目でシリーズチャンピオンを獲得。2位にはWAKO’S RC F、3位にはWeds RC Fが入り、レクサス勢が表彰台を独占。前述通りトップ5を独占する結果となった。
ホンダ勢では、今回でラストレースとなるドラゴモデューロNSX CONCEPT-GTが終盤まで力強い走りを見せていたものの、残り7周でトラブルを抱えピットイン。チェッカーを受けることなくレースを終えた。陣営の最高位はKEIHIN NSX CONCEPT-GTの11位となった。
優勝したDENSO RC Fの平手は2013年以来となる2度目のタイトル獲得、そしてSARDとしてはGT500で念願の初チャンピオンを手にした。一方、事前の予想では圧倒的に優位とみられたMOTUL GT-Rだが、結果的に最終戦を7位で終え、ランキング2位。前人未踏のタイトル3連覇は獲得寸前で逃した形となってしまった。
DENSO RC Fはトップチェッカーを受けた瞬間、サインガードで出迎えた平手が涙を見せ、パルクフェルメに戻ってきたコバライネンも力強くガッツポーズ。クルマを降りたGT500のライバルたちが次々とふたりを祝福していった。