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スーパーGT ニュース

投稿日: 2021.04.30 13:54

【GT500開発最前線・ホンダ編】21年開発テーマは「MR時代のメリットを」。エンジンルーム内も軽量化

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スーパーGT | 【GT500開発最前線・ホンダ編】21年開発テーマは「MR時代のメリットを」。エンジンルーム内も軽量化

 とはいえ、自由に手が付けられるわけではない。空力は開発が凍結されている。付随してダクト類もほぼ変えられない。エンジンはシリンダーヘッドやシリンダーブロックといった鋳造品の開発が凍結されている。「土台からやり直すわけにはいかないので、別のやり方で少しでも良くできるものはないか、知恵を絞る必要がありました」と、車体開発を担当する徃西友宏氏は説明する。

 スケーリングの影響もあり、ドラッグで負けているぶんをエンジンの進化分で全部まかなうのは難しい。では、どうするか……というのが知恵の絞りどころである。

「もてぎではいいペースで走れており、(FRになったNSX-GTの)キャラクターの片鱗を見せることができていたと思っています。21年に向けては方向性を間違わず、点数の獲れるコースにしっかりフォーカスして獲っていく。苦手なサーキットは確かにありますが、それに対しては消極策しかありません」

 開発が凍結されているエリアが多く、打ち手が限られているからだ。といって、黙って見ているわけでは決してない。最高速に関してはGRスープラがベンチマークになっている。しかしGRスープラとの差を詰めるべく何らかの手を打つことが、開発テーマの上位には必ずしもこない。なぜなら重要なのはラップタイムであり、レースでフィニッシュしたときに上位にいることだからだ。

「最高速を1㎞/hでも2㎞/hでも伸ばすことがトータルで判断して最善と思える場合はそうしますが、そこは慎重にバランスを見極める必要があります。ストレートで自力によって前に出られないのであれば、ブレーキングポイントをライバルに対して確実に奥にまで持っていき、タイヤがタレてくる終盤になってもそこでしっかり攻められるようにする。あるいは、富士のセクター3でしっかりマージンを築いておき、ホームストレートを走る。車体側でできるのはセットアップしかありません。ブレーキング姿勢でのダウンフォースの出し方などが大事になってきます」

 モノコックの後ろにあったエンジンが前に移ったことでリヤタイヤの負担は軽くなったが、今度はフロントタイヤへの負担が大きくなり、それが前述した弱点につながっている。「もう少し高い次元でまとめたい」(徃西氏)という思いを具現化するためにも、エンジンルーム内の軽量化は外せない課題となった。

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 この他、「性能アップにつながる部品がいくつか確認できている」というエンジンを含め、2021年シーズンに向けたホンダ陣営の開発の全容は、5月1日発売のauto sport臨時増刊『2021スーパーGT公式ガイドブック』内にて詳しく語られている。


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