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スーパーGT ニュース

投稿日: 2022.09.28 19:55
更新日: 2022.09.28 20:07

apr GR86 GT 2022スーパーGT第6戦SUGO レースレポート

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スーパーGT | apr GR86 GT 2022スーパーGT第6戦SUGO レースレポート

2022 AUTOBACS SUPER GT Round6
SUGO GT300km RACE
開催地:スポーツランドSUGO(宮城県)/3.586km
9月17日(予選) 天候:晴れ コースコンディション:ドライ 観客数:8300人
9月18日(決勝) 天候:曇り一時雨 コースコンディション:ドライ~ウェット 観客数:1万7000人

バランス悪化に苦しんだSUGOラウンド
前戦の勢いを結びつけられず

後半戦を迎えたスーパーGT、第6戦の舞台をスポーツランドSUGOとして、SUGO GT300km RACEが開催された。2台体制を採るaprは、1台をトヨタGR86に改め、apr GR86 GTとして不動のコンビ、永井宏明選手と織戸学選手に託して参戦し、タイヤは信頼のヨコハマタイヤを使用する。

 前回の鈴鹿では、体調不良で永井選手が欠場せざるを得ず、予め第3ドライバーとして平良響選手は登録していたが、急きょ上村優太選手を登録するという緊急事態となっていた。そのうえ、公式練習でミッションにトラブルを抱え、本来の状態ではないまま臨んだ予選ではQ1突破ならず。平良選手も上村選手も十分に周回を重ねられぬまま、迎えた決勝ではあったが、このふたりが期待以上の走りを見せた。

 21番手からスタートを担当した織戸選手が着実に順位を上げ、ポイント圏内にあとわずかというところで、交代した上村選手と平良選手もまた順位を上げ続け、3位でゴールしてくれたのだ! apr GR86 GTにとっては二度目の入賞は、初めての表彰台となった。サクセスウエイトは42kgに達したが、このあたりはまだ十分勝負権あり。そして永井選手も復帰を果たす今回、引き続きの入賞を目指す。

公式練習 9月17日(土)9:25~11:00

 9月も半ばに達した東北地方は、もう秋の気配を漂わせるようになっていた。日中は日差しもあり、半袖で丁度いい気候であるものの、朝晩などはもう肌寒いぐらいの寒暖差。シリーズも終盤戦に突入したことを、改めて実感させた。実際、公式練習の開始時には気温は24度、路面温度は30度と低めであった。
今回も最初にapr GR86 GTをドライブしたのは織戸選手。計測4周目には、早くも1分20秒490を記録する。

その後すぐ永井選手に代わり、最初のセットを確認しながら走行。まずは1分21秒304を記す。ほぼ1時間経過したところで、再び織戸選手が乗り込むことに。
改めたセットも決まっていたことから、1分20秒176にまでタイムを短縮した。この後、再び永井選手と交代すると、やはり自己ベストを1分20秒961にまで短縮するなど、流れはいたって良好。

 GT300クラスの専有走行を含め、ラスト20分はまた織戸選手が乗り込むと、最後の最後に1分20秒078をマークするまでとなっていた。ただし、すでにトップは1分18秒台に達していたことから、ポジションとしては21番手ではあったものの、決勝レースでのコンスタントには大いに自信を得るように。続いて行われたFCY練習では永井選手、織戸選手の順で走り、最終チェックを済ませていた。

公式予選Q1 9月17日(土)14:48~14:58

 予選Q1が始まる直前の気温は25度と、公式練習の頃とほとんど変わらなかったものの、路面温度は36度と若干上昇。B組で臨んだ織戸選手は、それでも比較的距離の短いコースとあって、アタックは計測3周目から開始することとなった。まずは1分19秒002を記録し、Q1突破のボーダーライン上にはいたが、できればもう少し縮めたいところ。しかし、続いてのアタックは1分19秒115に留まり、9番手へとドロップ。あとコンマ03秒及ばなかった。ただ本来ならapr GR86 GTは18番スタートとなるはずが、再車検で2台に車両規定違反があり、繰り上がって16番手を獲得した。

永井宏明選手

「惜しかったですね。練習のときもQ1のときの状況と同じ状態になっていて、少し戦闘力が足りないかなと。アンダーステアに悩まされたところがあって、それを決勝までに改善できれば、挽回できるかもしれません。サクセスウエイトで車重が増しているので、そのへんのところでバランスが取れなかったのかもしれません」

織戸学選手

「もちろんウエイトの影響も若干ありましたが、もうちょっとでしたね。もうちょっとバランス出せたのと、もうちょっと頑張ればQ1通ったと思います。もうちょっとの、もうちょっとが足りなかった。でも、悪くはないですよ。決勝でまた、じわじわと上がっていきます」

金曽裕人監督

「アタックのタイミングが悪かったですね。前のクルマに引っ掛かっちゃったという、タイミングの問題がいちばん大きかったんですが、まぁQ1は通るだろうと思っていたら、ギリギリ通らなかったと。去年は100分の5秒差で通らなくて、今年は100分の3秒差で(苦笑)。でもタイヤはいいですし、バランスも悪くないので。それなりに作戦も考えていますから、乞うご期待といったところです。少なくてもポイントは獲って帰ります」

2022スーパーGT第6戦SUGO apr GR86 GT(永井宏明/織戸学)
2022スーパーGT第6戦SUGO apr GR86 GT(永井宏明/織戸学)

決勝レース(84周) 9月18日(日)14:00~

 今回の決勝レースは、通常の300kmにレース距離が戻された。当然、ドライバー交代を伴うピットストップは1回だけとなるが、これをうまくFCYなり、セーフティカーランに合わせられれば。SUGOはレイアウトの特性上、アクシデントの発生でこれらが発動しやすい。その直前にピットに入れれば、ロスを最小限にして、一気にポジションを上げるチャンスともなる。実際、オープニングラップのうちにセーフティカーが早くも導入される。3コーナーでクラッシュした車両があったからだ。しかし、これはまだ展開に影響を及ぼさなかった。

 スタートを担当した永井選手は、18番手に順位を下げていたが、これは軽い接触があったため。幸いマシンにダメージはなく、むしろ2周に及んだセーフティカーランで、よりしっかりタイヤを温めることができていた。それより心配されたのは、この後の天候変化だ。早朝に秋晴れと呼ぶに相応しいコンディションだったが、決勝が近づくにつれ、熱い雲が上空に立ち込めるように。全車グリッド整列……というタイミングで小雨も降ってきた。幸い、その時はすぐやんでいたのだが。しっかりポジションをキープして周回を重ねていたapr GR86 GTだったが、10周目を過ぎた頃からポツリと降り始めた雨は、最初はコースの一部を濡らすだけだったが、やがて突然勢いを増して、瞬く間にコース全域を水浸しにしてしまう。

 そこで14周目、永井選手をピットに戻して、ウエットタイヤに交換する。これでいったん順位を落とすも、永井選手はしっかりリカバリーして順位を戻していく。そこで一気呵成に勝負に出ることとし、24周目には早くも織戸選手に交代。さらなる挽回が望まれた。ところが、それから15周後のSPコーナー先でapr GR86 GTがストップしているではないか! 後続車両に追突されたのが原因だった。

 復帰にも時間を要し、さらにチェックで織戸選手はピットに戻ったため、これで完全に勝負権は失われてしまう。その後、雨は降ったりやんだりを繰り返したことから、もしこのアクシデントがなければ、マシンコントロール能力に定評のある織戸選手である。難局をクリアして、きっと順位を上げ続けてくれたに違いない。だが、現実は淡々と周回を重ねていくだけの展開に……。4周遅れながら、なんとか完走は果たし、20位という結果は得られたが、悔しさだけが残されたレースでもあった。

 次回のレースはオートポリスが舞台で、わずか2週間後の10月1~2日に開催される。サクセスウエイト半減でapr GR86 GTが積むのは、わずか21kg。この状態はテクニカルコースには、絶対的に武器となるはず。しかもJAF-GT300車両との相性は抜群。今回の悔しさをきっと一掃してくれるはずだ。

永井宏明選手

「途中から雨が降り始めたり、いろんなことがたくさん起きてしまったので、我々にはひとつもいい方向に向かなかったですね。ちょっと残念でしたけど、もうちょっとスピードがあれば、また違った展開になっていたかもしれません。サクセスウエイトが増えたことに、対応しきれなかったようです。次から軽くなりますので、また頑張ります」

織戸学選手

「接触されスピンし大きく順位を下げただけでなく、自分自身の判断ミスもあり、今は何も言えないです。ごめんなさいしかないです、今日のレースは。残り2戦、表彰台狙います!」

金曽裕人監督

「タイヤも含めて、そんなに悪い方向ではなかったと思いますが、いろいろとチャレンジングなことをやろうとしていた中で、接触されて順位を大きく落として、リカバリーが最後まで効かなかったというのが惜しまれます。クルマのバランスも悪くなかったということですし、兄弟車のGR86が優勝したのを考えると、運も悪かったですね。2号車のみなさん、初優勝おめでとうございます。先を越されてしまいましたが、我々も続いていきたいと思っています」

2022スーパーGT第6戦SUGO apr GR86 GT(永井宏明/織戸学)
2022スーパーGT第6戦SUGO apr GR86 GT(永井宏明/織戸学)


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