トークが終わり、「ホンダさん、このチャンスをくれてありがとう! マン島に行ってきます(笑)!」とヘルメットを被った星野は、6気筒の非常に甲高いエキゾーストノートを響き渡らせたRC166にまたがると、RC164の北野、RC142の高橋に続いてストレートに入っていった。
「クラッチを離す感触や、感覚は体が覚えている。考えなくてもできる」とひさびさのライディングながら、前を走る北野、高橋を追い抜かないように気をつけつつも、星野は回転に気をつけつつ、スクリーン越しに先輩たちの背中とコースを眺めながら周回を終え、笑顔でバイクを降りた。
「いや〜、本当にすごかった! すごいよ」と星野は興奮した様子で語った。
「あのサウンドも素晴らしい。RC166はやはりフェロモンがあるよね。本田宗一郎さんは本当にすごいことをやってきたと思うよ。そして他のメーカーもだけど、日本の技術は本当にすごい」
「1万3000回転でバラついちゃうんだけど、それを越すといきなり1万7000回転来るんだ。そこの谷が直らないらしいんだけど、1万7000の音はすごかったな……。ウォーミングアップしているときの音からして素晴らしいよね。やっぱりレーサーはこうじゃなきゃ!」
「もう少し走りたかった!」という星野だが、走行は5日も行われる予定だ。ふたたび感動を新たにする星野の表情と、最高のエキゾーストノートをふたたび目の当たりにすることができそうだ。
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