2021年F1第4戦スペインGPで、アルファロメオは大きな不運に見舞われた。決勝で極めて珍しいトラブルが立て続けに発生し、アントニオ・ジョビナッツィが入賞するチャンスを奪ったのだ。ひとつはタイヤ、もうひとつはFIAが提供するソフトウエアの問題だった。
1周目にジョビナッツィはチームメイトのキミ・ライコネンの後ろに落ちて、15番手になった。ライコネンは全ドライバー中唯一スタートタイヤにソフトを選ばず、ファーストスティントを長く取る戦略だった。アルファタウリ・ホンダの角田裕毅がリタイアし、8周目半ばにセーフティカーが出動。ジョビナッツィは、すぐさまピットに飛び込んだ。他と違う戦略で戦うチャンスが訪れたとその時思ったと、彼は言う。