更新日: 2024.10.05 20:47
接触転倒に「心が痛い」と中上貴晶。「バイクをピットに戻したい」強い想いで再発進/第16戦日本GP スプリント
10月5日、2024年MotoGP第16戦日本GP MotoGPクラス 2日目のセッションが栃木県のモビリティリゾートもてぎで行われた。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は予選で21番手を獲得し、スプリントは接触転倒による悔しさの残るリタイアとなった。
初日は午前に天候の影響で数周のみしか走ることができなかったものの、午後には自己ベストを大幅に更新。そんな中上は1分44秒258まで縮めたが、予選Q2にダイレクト進出ができる10番手とはわずか0.049秒差と僅差で逃す結果になり、悔しさも滲ませていた。
ただ、囲み会見ではこのもてぎにおいても「新しいエアロパッケージも上手く機能していると思います」とポジティブな発見もあったという。今季初の予選Q2進出目指して、2日目の各セッションに向けて準備を進めた。
迎えた2日目も朝から午後にかけて曇天の下で、時折小雨が降る不安定な天候となった。この日から秋をモチーフにしたポップなデザインの特別ヘルメットで臨んでいる中上は、朝のフリー走行2回目でトップから1.391秒差の18番手で走り始めを行い、予選Q1へと駒を進める。
タイヤはミディアム/リヤを選択し、最初のアタックでは1分46秒217とタイムを出せていない状況だった。後半にはリヤのソフトタイヤのみを新品に履き替えて再度アタックを試みるが、1分44秒886とプラクティスでの自己ベストを更新することができず、そのまま21番グリッドが確定した。
後方からのスタートを強いられた中上は、スプリントのスタートで一時最後尾まで順位を落としてしまうが、2周目には19番手と着実に追い上げを見せたていた。その後も17番手に浮上したが、5周目にはまさかの転倒を喫してしまう。イン側から入ってきたヨハン・ザルコ(カストロール・ホンダLCR)と接触し、ここで戦線離脱に。
その後は再スタートを切ってピットへと戻ったが、マシンの損傷が激しいことからリタイアの選択を強いられた。幸い怪我はなかったようだが、非常に悔しさが残る結果となった。中上は次のようにスプリントを振り返った。
「心が痛いです。残念な終わり方でした。その原因のひとつもチームメイト(ヨハン・ザルコ)の動きでレースを終えることになってしまったので、はっきりと彼に対しては残念な気持ちがありますし、母国GPであのタイミングであの動きは残念でした。転倒してグラベルでレースを終えてしまったっていうのは、少し悲しかったですね。明日はメインのレースでチャンスがあるので、怪我なく元気な状態で明日を走れるのは良かったです」
「(転倒後)バイクを見たときに結構損傷はしていたものの、グラベルを歩いているときに、もう何が何でもこのバイクをピットに戻したいという気持ちしかありませんでした。普通に考えれば、あの時点でレースは終わりですし、あのまま普通にスクーターに乗って帰ることが通常だとは思います」
「でも、ラッキーなことにエンジンがかかってくれたので、母国GPですし、どんな形であれ、バイクに対して自分のできる最大限のことをしてあげられたのは良かった点でもあります。今日はついてなかったので、明日はいい方向に、運が向いてくれることを願っています」
予選スプリントでは厳しい結果を強いられたが、決勝ではその雪辱を果たすポイント獲得に繋がる走りを見たいところだ。そんな中上は決勝に向けて「いよいよ明日で最後になってしまうので、どちらかというと寂しい気持ちの方が今は強いですね。でもその分、やっぱり自分の中でやりきったというレースにしたいです」と思いも語った。
ぜひ、10月6日(日)の14時にスタートする決勝レースでは、フル参戦としては最後となる日本GPでの中上の勇姿を見届けて欲しい。