3月20日、ヤマハ発動機株式会社は東京都内で『2025年 YAMAHA MOTORSPORTS MEDIA CONFERENCE』を開催。2025年シーズンの活動体制などが説明されたが、そのなかで2025年FIM世界耐久選手権（EWC）第3戦鈴鹿8時間耐久ロードレースにファクトリー体制のYAMAHA RACING TEAM（ヤマハ・レーシング・チーム）を参戦させることを明かした。

　ヤマハはコロナ禍以降、久々に都内でメディア関係者を招いて2025年シーズンに向けたイベントを開催した。モータースポーツ戦略の概要、ファクトリー参戦する全日本選手権の活動を中心とした今季の活動体制などについて、モータースポーツ統括部 統括部長の竹田祐一氏をはじめとするレース部門から説明があり、参戦ライダーも紹介された。

　そのなかで、モータースポーツ戦略部長の小野哲氏から、ファクトリー体制のYAMAHA RACING TEAMが復活を果たし、8月1～3日に行われる2025年の鈴鹿8耐に出場するというサプライズ発表があった。ライダーは3名のうち中須賀克行のみ決定している状態だ。マシンはヤマハYZF-R1で、ゼッケンは21番、ブリヂストンタイヤを履く。

　マシンのカラーリングはヤマハ創立70周年となるため、過去のレースをオマージュした赤と白をベースとしたデザインとなる。

　鈴鹿8耐におけるYAMAHA FACTORY RACING TEAMの歴史をまとめると、1984年に参戦を開始。優勝は1987年、1988年、1990年、1996年と達成したが、その後は頂には辿り着けなかった。そして、2015年には2002年以来13年ぶりにファクトリーとして復活を果たす。

　その後は中須賀克行とともにMotoGPやWorldSBKライダーを擁して2018年まで4連覇。2019年は赤旗終了のレースでトップでチェッカーを受けて暫定表彰台の真ん中に立ったが、カワサキの優勝に覆った。それ以降はファクトリーとしては活動休止となり、鈴鹿8耐のみYamalube YART Yamaha EWC Official Team（YART – YAMAHA）のマシンにおける技術サポートを行っていた。そして、今回6年ぶりにファクトリー体制で復活することが決まった。

　また、YART – YAMAHAにおいてはニッコロ・カネパが引退したため、後任として今季はジェイソン・オハローランが加入。マービン・フリッツとカレル・ハニカ、リザーブライダーのロビン・マルハウザーは継続となる。