レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

MotoGP ニュース

投稿日: 2017.11.28 19:48
更新日: 2017.11.28 19:59

MotoGPコラム:最終戦バレンシアでマルケスが見せた驚異の転倒回避能力

レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る


MotoGP | MotoGPコラム:最終戦バレンシアでマルケスが見せた驚異の転倒回避能力

 イギリス在住のフリーライター、マット・オクスリーのMotoGPコラム。最終戦バレンシアGPではマルケス3位、ドビジオーゾ転倒と言う形で決着し、マルケスのチャンピオン獲得で2017年シーズンは幕を下ろした。決勝レース中にあわや転倒というシーンがあったマルケス。彼はいったいどのようにしてレースを続行できたのだろう。

ーーーーーーーーーー

 まず初めに、記録を整理してみよう。11月12日、マルク・マルケスは世界選手権に参戦する8年間で6度目となるチャンピオンを獲得した。さらに重要なことは、マルケスが史上最高ライダーであるバレンティーノ・ロッシとマイク・ヘイルウッドが打ち立てた、偉大なふたつの記録を塗り替えたことだろう。

 マルケスは2017年、24歳でMotoGPの最高峰クラス4度目のタイトルを獲得し、1965年に25歳で4度目の最高峰クラスチャンピオンとなったヘイルウッドの最年少チャンピオン記録を破った。マルケスは同時に2004年に6度目のタイトル獲得を25歳で達成したロッシの記録を更新し、6度の世界タイトルを獲得した最年少ライダーとなった。

 さらに信じられないことに、マルケスは125cc、Moto2、MotoGPクラスに参戦した8シーズンで各シーズン5勝以上を挙げた。69年におよぶグランプリレースの歴史のなかで、この記録を打ち立てたのはマルケスが最初だ。

■最終戦バレンシアでの仰天すべき転倒回避

 マルケスは最終戦バレンシアで、驚くべき形でMotoGPクラスのタイトルを獲得した。決勝レースで、マルケスは1コーナーでマシンをスライドさせてほとんど転倒している状態から立て直したのだ。あの瞬間を、トップライダーたちは信じられない気持ちで分析しているだろう。

「マルケスは転倒しかけていた…フロントタイヤがスライドして…。タイヤから煙が上がっていたじゃないか。彼の左足は浮いていて、転倒しかけていた。だが、どうやって持ちこたえたんだ? どうしたらあのやり方を学べるだろう?」

 私が一番お気に入りのコメディアンはすでに故人だが、彼のある言葉がマルケスのとんでもない才能を完ぺきに説明している。ローリング・ストーンズのキース・リチャードの、限界を超える能力について語った言葉だ。

「キースは崖を飛び降りた。みんなが見下ろすと、彼は岩棚に着地していたんだ。崖の先に岩棚があるなんて、だれにそれがわかるだろう? キースは岩棚を見つけたんだ。なんという冒険者、なんという勇気だろう!」


関連のニュース