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MotoGP ニュース

投稿日: 2018.04.17 06:00
更新日: 2018.04.17 14:37

MotoGP:元王者、青山博一チーム・アジア新監督のマネジメント術とは

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MotoGP | MotoGP:元王者、青山博一チーム・アジア新監督のマネジメント術とは

 2018年、ホンダ・チーム・アジアの監督に就任した青山博一が、HRCテストライダーとしての任務を継続しつつ、新しいチャレンジを行っている。“監督”として若いライダーたちを成長させ、結果を残すというタスクに、どのようなビジョンを持っているのだろうか。

 ロードレース世界選手権250ccクラス最後のチャンピオンであり、2010年から2014年までMotoGPクラス、そしてスーパーバイク世界選手権(SBK)フル参戦の日本人ライダーとして活躍を続けてきた青山。2015年からはMotoGPに代役参戦などする一方、HRCテストライダーを務めつつ後進の指導にも携わっている。

2018年、ホンダ・チーム・アジアの新監督として就任した青山
2018年、ホンダ・チーム・アジアの新監督として就任した青山

「まず何より、選手たちが本来持っているパフォーマンスを100%発揮できる状態にし、そのうえでグランプリのトップライダーとして活躍するレベルに成長してもらうのが僕の仕事だと思っています」

 青山は今シーズンに就任したホンダ・チーム・アジアの監督としての自身の役割をそう説明する。

「ホンダは2014年から始まったイデミツ・アジア・タレント・カップ(ATC)にマシンを供給し、さらにATCとグランプリの間にあるFIM CEVレプソルインターナショナル選手権(CEV)にも参戦するなど、アジアの若手ライダーたちが世界の頂点にチャレンジするための道筋をつくってきました」

「僕はHRCのテストライダーである一方、2015年からATC、CEVにおけるアドバイザーを務めました。そこで感じていたのが、アジアのライダーたちはグランプリでも、もっと高いパフォーマンスを発揮できるのではないか、ということなのです」

 具体的にはどういうことなのだろうか。グランプリでは世界中から集まったライダーたちが、しのぎを削っている。長く世界選手権で戦ってきた青山は、チャンピオンを獲得するために必要なものは、ライディングスキルだけではないと感じているという。

「ATCからCEV、さらにグランプリへとステップアップしていく選手たちは、当然ながら優れたライダーたちです。バイクを操る技術は正直、僕の若いころより上手だと思います。でも、世界の頂点に立つには、それ以外のさまざまな要素が必要です」

「そこで僕が経験してきたことを、活かせるのではないかと思うのです。少し形は違いますが、僕もホンダ・チーム・アジアに所属した選手たちと同じように、ホンダのスカラシップでグランプリに挑戦できるようになった一方、さまざまなチームで、いろんな経験をしました」

 青山は『Honda Racingスカラシップ』という、ホンダが世界チャンピオンを獲得できる日本人ライダーの育成を目的とした制度の第一期生として世界に羽ばたいた。

 スカラシップ生として2年間ホンダ系のチームで世界選手権250ccクラスを戦い、その後はKTMに移籍。MotoGPクラスに昇格したあともいくつかのチームを経験している。ライダーとしての経験値もさることながら、勝つために必要な要素を熟知しているだろうことは想像に難くない。

「どうすればライダーが持っている能力をフルに発揮できるのか、どのような環境が必要なのかなど、学んできたつもりです。その経験を、少しでも役立てたいと思うのです」

■自分は「メカニックとライダーの間をとりもつ“調整役”」

 ホンダ・チーム・アジアの監督に就任した青山は、まず現状を見極めることから始めた。2018年シーズンのライダーラインアップは、Moto2クラスに参戦する長島哲太、カイルール・イダム・パウィ。Moto3クラスに参戦する鳥羽海渡とナカリン・アティラプワパだ。

「速い、という意味ではみんな同じですが、ライダーには個性があります。乗り方も違うし、考え方も違います。それぞれが生まれ育ってきた文化を含めたバックグラウンドも異なりますから、当然ですよね」

「なので、まず4名のライダーをよく見ることから始めました。それぞれ、何ができていて、何ができていないのか。何が必要なのか。この3つを見極めることが、大切だと思ったからです」

 開幕前のウインターテストにおいて、青山はコースサイドで彼らの走りを詳細に観察しながら、ピットでは彼らのコメントにも耳を傾けた。

青山は自身の役割を“調整役”と説明する
青山は自身の役割を“調整役”と説明する


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