レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る

MotoGP ニュース

投稿日: 2018.04.18 19:10
更新日: 2018.04.18 23:40

マルケスとロッシの争いが勝者の存在を隠してしまう/スペイン人ライターMotoGPコラム

レースを愛してやまないファンの方々へ
autosport web Premiumが登場。

詳細を見る


MotoGP | マルケスとロッシの争いが勝者の存在を隠してしまう/スペイン人ライターMotoGPコラム

 スペイン在住のフリーライター、アレックス・ガルシアのモータースポーツコラム。アルゼンチン・テルマス・デ・リオ・オンド行われたMotoGP第2戦で起こった出来事は、勝者の存在を隠しているとガルシアは語る。スペイン人ジャーナリストは荒れたアルゼンチンGPをどう見たのか?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

■再び起こってしまったマルケスとロッシの戦争

 バレンティーノ・ロッシとマルク・マルケスが、MotoGPで最も激しく対立し合っているライダーであることは確かだ。ふたりは攻撃的で才能に溢れた、最も成功したライダーである。そうしたことすべてを考えれば、強いライバル意識が育つ原因が揃っているわけだが、ここ数年彼らの関係は非常に厳しい状況を経ている。

 悪名高い2015年の第17戦マレーシアGPでのクラッシュでマルケスとロッシの戦争は始まったが、翌年の第7戦カタルーニャGPでは和平に達した。だが2018年シーズンの第2戦アルゼンチンGP、テルマス・デ・リオ・オンドで彼らは接触し、ロッシが転倒したことで、再び注目が集まることになった。

 アルゼンチンGPで起きたことは、最初に起こった事件からはかけ離れたものだ。すべては2013年に始まった。コークスクリューコーナーで、マルケスがロッシの有名なオーバーテイクを再現してみせたときだ。その餌食となったのはロッシ自身である。彼は笑顔を装ってはいたが、快く思っていなかったのは明らかだ。

 そして2015年の第3戦アルゼンチンGPで戦争は本格化した。テルマスではロッシと衝突したマルケスが転倒を喫したが、オランダGPではふたりは最終コーナーで争った。

 いずれの場合も、ロッシがマルケスよりも上位でフィニッシュしている。しかし精神的な面では、マルケスはロッシよりも優位に立つことができていた。ロッシはホンダが不調に沈んでいた年にタイトルを賭けて戦っていたが、それでもなお、マルケスのことを無視するのではなく、脅威と見なしていた。

 2015年のマレーシアGPでの一触即発状態の記者会見で、ロッシは同じスペイン人のホルヘ・ロレンソのことをマルケスが故意に助けたと批判した。その後に起こったことは今では悲しいかな、有名になっている。ロッシとマルケスは再び接触したが、その際ロッシがマルケスを“蹴った”というのだ。

 ありとあらゆる不快な非難が巻き起こるなか、バレンシアで王者が決まった。2016年のカタルーニャGPで、不慮の事故によりルイス・サロムが亡くなるという悲しい出来事をきっかけに、敵意に満ちたふたりのライバルは“和解せずには”いられず、すべてがうまくいくように見えた。もちろんそれは2018年のアルゼンチンGPまでの話だ。

マルク・マルケス/レプソル・ホンダ・チーム
マルク・マルケス/レプソル・ホンダ・チーム

 アルゼンチンGPでは過度に攻撃的なマルケスがロッシに接触し、最終的にロッシは転倒を喫した。その後の出来事は、さながら“セパン・ゲート(最初に起こったマルケスとロッシの事件)”の繰り返しのようだった。ライダー、記者、ファン、それにレースディレクションにとってさえも、最悪の展開だった。


関連のニュース