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MotoGP ニュース

投稿日: 2018.05.14 15:20
更新日: 2018.05.15 12:03

ヤマハ中須賀、オートポリスで明暗分けたタイヤ選択に「スリックはありえなかった」/全日本ロード

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MotoGP | ヤマハ中須賀、オートポリスで明暗分けたタイヤ選択に「スリックはありえなかった」/全日本ロード

 オートポリスでの全日本ロードレース選手権第3戦を、中須賀克行(ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チーム)は9位という結果で終えた。天候によるスケジュール変更が相次いだ決勝日、中須賀にとって地元のレースで、2018年シーズンで初めて表彰台を逃す結果となった。

 予選日である土曜の時点で、中須賀が優勝はおろか表彰台にも上がることができないと予想することは難しかっただろう。日曜には雨、という予報が出ていたとしてもだ。それほど中須賀の速さは突出していた。

 好天の下、ドライコンディションで行われたノックアウト方式の予選の予選Q2で、中須賀が記録したポールポジションタイムは1分46秒909。それまでのコースレコード1分47秒657を約コンマ7秒縮めるタイムだった。このタイムには中須賀自身も「最初見たとき、間違いだろうと思った」とコメントしたほどだ。

 迎えた決勝日は予報通り、朝から雨が降り注いだ。おまけに濃い霧まで立ち込めてしまい、午前中に予定されていたフリー走行はディレイ。回復しない天候とコースコンディションに何度かスケジュールが変更され、全日本JSB1000クラスの決勝レースは当初の予定から5周減算の15周、20分遅れの12時30分にスタートした。

 ここで命運を分けたのが、タイヤ選択だ。JSB1000の決勝スタートを迎える時刻では、路面はウエット。しかし雨は上がっている……、という判断が難しい状況だった。ここで中須賀が選択したタイヤはレインタイヤ。

 中須賀はこのタイヤ選択について「レース直前には雨が強まるシーンもあったので、厚い雲に覆われた空を見たら、スリックタイヤを選択することはあり得ませんでした」と語っている。

 ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームの吉川和多留監督も同様だ。「天気が読み切れなかったと言えばそれまでですが、チャンピオン獲得を目指すチームとしては、この状況でスリックタイヤの選択肢はありませんでした」

 レインタイヤを履いた中須賀はレース序盤、同じくレインを選択した高橋巧(チームHRC)、渡辺一樹(ヨシム・ラスズキMOTUL)とトップ争いを展開するが、路面状況は徐々にハーフウエットからドライに変化。

 ここからスリックタイヤ装着勢の渡辺一馬(カワサキ・チームグリーン)、松﨑克哉(カワサキ・チームグリーン)、高橋裕紀(モリワキMOTULレーシング)たちが中須賀を含む上位陣を猛追する。

 中須賀は、このとき「レインタイヤでは転倒のリスクが高まったことから、まずは少しでも多くポイントを獲得することに考えを切り替えた」のだという。最終的に中須賀はじりじりと順位を落とし、9位でチェッカー。12ポイントを獲得した。

序盤はトップ集団で走行した中須賀だったが、路面状況の変化とともに順位を落とす
序盤はトップ集団で走行した中須賀だったが、路面状況の変化とともに順位を落とす

「今回のレース結果は仕方がないという感じです」

 天候によって翻弄された日曜日を、中須賀はそう振り返る。このレースではレインタイヤを履いた、序盤にトップ集団として走行した高橋巧も渡辺一樹も表彰台を逃した。表彰台に上ったのはスリックタイヤ装着勢だ。

 中須賀の調子は決して悪いわけではない。それは予選でのスーパーラップが証明している。

「自分のコンディションやマシンの調子は、予選で1分46秒909というニューレコードをマークできたように、とてもいい状態にあるので、次のスポーツランドSUGOでは再び勝利を目指してがんばります」

 思いがけない形で連勝をストップさせられた中須賀。しかし、確実に12ポイント稼ぐあたり、チャンピオンの獲り方を知るライダーとしての強さを見せたとも言えそうだ。


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