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MotoGP ニュース

投稿日: 2018.07.30 06:55
更新日: 2018.07.30 22:56

ヤマハがホンダ、カワサキを下し鈴鹿8耐4連覇。TSRホンダが日本チーム初のEWC王者に輝く

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MotoGP | ヤマハがホンダ、カワサキを下し鈴鹿8耐4連覇。TSRホンダが日本チーム初のEWC王者に輝く

 2017-2018 FIM世界耐久選手権最終戦“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第41回大会の決勝レースが7月29日、鈴鹿サーキットでスタート。8時間にわたる長い戦いを終え、 YAMAHA FACTORY RACING TEAM(中須賀克行、アレックス・ロウズ、マイケル・ファン・デル・マーク組)が優勝し鈴鹿8耐4連覇を達成。世界耐久選手権(EWC)のタイトルに挑んだF.C.C.TSR Honda France(ジョシュ・フック、フレディ・フォーレイ、アラン・テシェ組)は5位でフィニッシュし、171.5ポイントを獲得して日本チーム初のEWC王者に輝いた。

■スタートから雨が降る波乱の幕開け

 決勝当日、鈴鹿サーキットに台風12号が接近していたためレースの開催が心配されていたが、台風は遠のき、朝には雨がやんで太陽が顔をのぞかせた。朝のウオームアップ走行はウエットコンディションで始まったが、次第にセッション終盤はドライコンディションでの走行になった。

 このままドライコンディションで決勝レースを迎えるかと思われたが、グリッドにマシンが並ぶころには太陽が姿を消し、怪しい雲に包まれる。そしてスタート20分前に突然激しい雨に見舞われた。雨は5分ほどで小康状態になるが、路面は完全にウエットコンディションに変わってしまう。

 その後も雨は強まったり弱まったりを繰り返し、不安定な天候。そんななか、鈴鹿8耐の決勝レースが始まった。

2018鈴鹿8時間耐久ロードレース スタートシーン
2018鈴鹿8時間耐久ロードレース スタートシーン

 ポールシッターのKawasaki Team GREEN(渡辺一馬、ジョナサン・レイ、レオン・ハスラム組)のレオン・ハスラムが、好スタートを切ってホールショットを奪う。しかし、1コーナーでインをついたのはRed Bull Honda with 日本郵便(高橋巧、中上貴晶、パトリック・ジェイコブセン組)の高橋巧。2番手に後退したハスラムはデグナーカーブでラインを外してしまい、高橋巧はトップ独走状態に入る。

 オープニングラップを終え、トップはレッドブル・ホンダwith日本郵便、カワサキ・チームグリーン、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームという並びでホームストレートを通過。EWCタイトルがかかるF.C.C.TSRホンダ・フランスは14番手に順位を落とした。

■序盤からホンダ、ヤマハ、カワサキがトップを分け合う

 1時間が経というところでは、空に青空がのぞく天候となり。路面コンディションもウエットからドライへと、次第に回復していく。7周目終了時点では、トップを走るレッドブル・ホンダwith日本郵便の高橋巧が、2番手以下に約9.5秒の差をつけて独走態勢を築く。

 2番手でレッドブル・ホンダwith日本郵便を追うカワサキ・チームグリーンのハスラムは、ヨシムラ・スズキMOTULレーシング(津田拓也、シルバン・ギュントーリ、ブラッドリー・レイ組)のシルバン・ギュントーリ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームのファン・デル・マークと3台での2番手争いを展開する。

 このあたりで路面コンディションがほぼ回復してきたことから、各チームが続々とピットインし、レインタイヤからスリックタイヤに交換を行う。

 上位陣であるヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームは15周目、カワサキ・チームグリーンは16周目にピットへ向かい、スリックタイヤに交換。ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームは引き続きファン・デル・マークが走行し、カワサキ・チームグリーンはレイにライダー交代する。

 上位陣で最後にピットに入ったのはレッドブル・ホンダwith日本郵便で、17周目のピットイン。ライダー交代なしでタイヤ交換だけを行い、そのまま高橋巧がコースに戻った。

 上位陣がタイヤ交換を行ったタイミングで、ヨシムラ・スズキMOTULレーシングのギュントーリがトップに浮上する。しかし、それを猛然と追いかけたのが、2番手につけたカワサキ・チームグリーンのレイだった。レイは20周目にギュントーリを交わしてトップに浮上すると、この週末、その速さでファンを魅了する走りを見せていただけにサーキット内が沸き立った。さらにヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームのファン・デル・マークもヨシムラ・スズキMOTULレーシングのギュントーリを捕らえ、レイに続いて2番手に浮上した。

 1時間が経過するところで、ファン・デル・マークがレイに肉薄。周回遅れのマシンを巻き込んでトップ争いを開始。レースリーダーの座をかけた激しい争いが幕を開けた。

■カワサキとヤマハのSBKライダーによるバトルが激しさを増す

 ちょうど1時間が経過したとき、3番手走行中のヨシムラ・スズキMOTULレーシングのギュントーリが、MuSASHiシケインで転倒。ピットへと戻りマシンの修復作業が行われた。数分後、マシン修復を終え、ライダーをレイに替えて再びコースに出たが、すぐにピットに戻ってしまい大きく順位を落とすことになる。

序盤から激しいバトルを展開するKawasaki Team GREENとYAMAHA FACTORY RACING TEAM
序盤から激しいバトルを展開するKawasaki Team GREENとYAMAHA FACTORY RACING TEAM

 30周目に入ると、カワサキ・チームグリーンとヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームによるトップ争いが激しさを増した。2番手を走行していたヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームのファン・デル・マークが、バックマーカーを挟んで、ホームストレートの加速でカワサキ・チームグリーンのレイを捕らえてトップに浮上。

 しかし、最終シケインで再びレイが冷静にトップを奪回。まるでスプリントレースを見ているかのような、スーパーバイク世界選手権(SBK)ライダー同士による激しい攻防が展開される。このふたりの争いはしばらく続き、バックマーカーを巻き込みながら何度も切迫したバトルとなった。

 スタートから1時間40分が経過した43周目、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームが2回目のピットイン。ファン・デル・マークは28周を走り切ってロウズにヤマハYZF-R1を託す。カワサキ・チームグリーンは1周遅れて44周目にピットインし、レイからハスラムにライダー交代を行っている。さらに3番手を走行中だったレッドブル・ホンダwith日本郵便の高橋巧は46周目にピットインし、中上貴晶に交代する。

 トップ争いは、カワサキ・チームグリーンのハスラムとヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームのロウズに役者を変えて、再び激しいバトルとなる。この時点でトップ争いはこの2台にしぼられた状態。3番手につけていたレッドブル・ホンダwith日本郵便は、その差15秒と大きく溝を開けられた。

 そして、スタートから2時間が経過しようとするころ、ペースを上げたロウズがハスラムを捕らえ、ヤマハ・ファクトリー・レーシング・チームがトップに浮上。53周目にしてついにヤマハがトップに立った。

■マシンから火が出るトラブルで1回目のセーフティカーが


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