マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)はMotoGPサンマリノGPで、2位表彰台を獲得。ホルヘ・ロレンソ(ドゥカティ・チーム)と激しいバトルを繰り広げ、ポイントランキング2番手以下とのポイント差をさらに広げた。
予選で転倒し、5番手スタートとなったマルケス。サンマリノGPの決勝レースはウイーク中最も高い気温、路面温度というコンディション。マルケスは好スタートを決めるが、序盤はタイヤを温めるのに時間がかかった。
マルケスが選択したタイヤはフロントにハード、リヤにミディアムだ。一方、マルケスの前を走るドゥカティ・チームのふたり、ロレンソとアンドレア・ドヴィツィオーゾはともにフロント、リヤにミディアムタイヤをチョイスしている。
マルケスは2周目には早くも3番手に浮上し、前を行くロレンソとドヴィツィオーゾに迫った。6周目にはトップがドヴィツィオーゾに替わり、ドヴィツィオーゾは2番手のロレンソ、3番手のマルケスを引き離しにかかる。マルケスはドヴィツィオーゾの速さを見て、優勝ではなく2番手となることを選んだ。
「前との差を詰めたけれど、ドヴィは今日、とても速かった。だから僕は、2位を目標にすることにしたんだ」
マルケスは中盤、今季何度か見られたようなロレンソとの激しい2番手争いを展開した。
「ホルヘの後ろで走っていたけれど、彼は僕よりも速かった。ひたすら攻め続けたよ。最終ラップに勝負できるかを考えていた」
ふたりの勝負は、残り2周でロレンソが転倒を喫したことで決した。ロレンソは気温が上がったこの日、いつもよりも硬めのタイヤを選ばねばならず、ブレーキング、特にフロントの状況に苦戦していた。
「最後にミスを犯してしまった。フロントから何度も警告を受けていたけど、あのブレーキングでほんの少しだけ無理してしまった。僅か1度の傾斜角度だった…」ロレンソはmotogp.comの日本語サイトのなかで、転倒についてそう語っている。
同時に「マルケスとのバトルで時間をロスしてしまい、アンドレアとの差が開いてしまった」とも語っており、マルケスとの激しい2番手争いがロレンソ転倒の遠因であったとも言えそうだ。
ロレンソが転倒し、マルケスは目標と定めていた2位を獲得した。サンマリノGPではチャンピオンシップに動きがあり、ウイナーであるドヴィツィオーゾが2番手に浮上。しかし、チャンピオンシップリーダーの座は依然としてマルケスが守り続けている。
2番手のドヴィツィオーゾとの差は67ポイント。チャンピオン獲得に向け、マルケスの独走態勢だ。「チャンピオンシップを考えると、2番手に67ポイントの差をつけることができたのは重要だ。満足しているよ」と語るマルケス。その目は常に、チャンピオン獲得に向けられている。