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MotoGP ニュース

投稿日: 2018.09.27 17:30
更新日: 2018.09.27 17:36

カワサキZX-6Rをもとに大久保光が語るWSSマシン。ほぼノーマルの車体に搭載されるフルチューンエンジン

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MotoGP | カワサキZX-6Rをもとに大久保光が語るWSSマシン。ほぼノーマルの車体に搭載されるフルチューンエンジン

 市販車バイクの最高峰レースであるスーパーバイク世界選手権と併催されている市販車の600ccバイクをベースとしたマシンで争われるチャンピオンシップ、それがスーパースポーツ世界選手権(WSS)だ。今回は、WSSにフル参戦する唯一の日本人ライダー、大久保光に自身が駆るWSS参戦仕様バイクについてカワサキZX-6Rをもとにインタビュー。WSSの改造範囲や意外なレギュレーションが明らかになった。

 WSSは4気筒600cc、3気筒675ccの市販車をベースにしたマシンで争われるチャンピオンシップ。市販車の最高峰レースであるスーパーバイク世界選手権(SBK)よりも改造範囲の狭いレギュレーションのもと、行われる。

 大久保にインタビューを行ったのは、長いサマーブレイク明け初戦となる第10戦ポルトガルが行われたアウトドローモ・インターナショナル・アルガルベ。ホンダ系のチームで2シーズンを過ごした大久保は、WSSでの3シーズン目となる2018年、チームを移籍してトップチームのひとつであるカワサキ・プセッティ・レーシングからカワサキZX-6Rを駆って参戦している。

今季、カワサキ・プセッティ・レーシングからWSSにフル参戦中の大久保光
今季、カワサキ・プセッティ・レーシングからWSSにフル参戦中の大久保光

 カワサキZX-6Rは、水冷4ストローク4気筒DOHC4バルブのエンジンを搭載するスーパースポーツ。ベースとなるこの市販車をWSS仕様にするにあたってどこまで変更が許されるか大久保に聞くと、「基本的に、車体の改造はできません」という答えが返ってきた。

「ホイールやフレーム、スイングアームはノーマルでなければならないんです。カウルは軽量なFRP(繊維強化プラスチック)を着けてもいいことになっていますが、形状はあくまでも市販車のまま、というレギュレーションですね」

 また、ブレーキについてはパッドやディスク、レバーは交換可だが、キャリパーは交換不可。ほかに交換可能なのは、フロントフォークはインナーチューブのみ、リヤサスペンション、ステップ回り、ハンドルやステアリングダンパー、メーター回り…と、確かに制限されていない部分は多くない。

 さらに、フロントカウルにはヘッドライトのシールを貼らないければならないという。世界耐久選手権(EWC)のように夜間走行のないWSSは、ヘッドライトを備えない。その代わりにヘッドライトを模したシールが貼られている。SBKやWSSを見たことがあるファンならぴんとくる人も多いだろうが、これもレギュレーションのひとつだ。

 あくまでも市販車のレース、ということで外装についてのレギュレーションが特に厳しいのだろう。溝付きのピレリタイヤを履いてレースが行われているのも、そういった要因によるものだ。なお、電子制御に関しては、2019年から共通ECUの導入が決定している。

フロントサスペンションはインナーチューブのみ交換可
フロントサスペンションはインナーチューブのみ交換可
ヘッドライトのシール貼付はレギュレーションで定められている
ヘッドライトのシール貼付はレギュレーションで定められている
装着するタイヤは溝付きのピレリタイヤ
装着するタイヤは溝付きのピレリタイヤ

 マシンの外観を市販車に沿ったものにというレギュレーションとなっている一方、エンジンに関しては大幅なチューニングが許されている。


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