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MotoGP ニュース

投稿日: 2018.10.26 17:10
更新日: 2018.10.26 17:20

MotoGPで5度の王者に輝いたマルケスに聞く強さの秘密・後編「乗り方は同じにはならない」

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MotoGP | MotoGPで5度の王者に輝いたマルケスに聞く強さの秘密・後編「乗り方は同じにはならない」

 MotoGP第16戦日本GPで最高峰クラス5度目のタイトルを決めたレプソル・ホンダのマルク・マルケスに、イギリス在住のフリーライター、マット・オクスリーがインタビューを実施。その後編をお届けする。2018年シーズンも圧巻の走りで王者に輝いたマルケス。その強さの秘密は何なのだろうか?

5度の王者に輝いたマルケスの強さの秘密はどこにあるのか

前編はコチラ

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Q:エンジンブレーキのコントロールはどう。以前ほど君はブレーキでリヤをスライドさせていないようだね。

マルク・マルケス(以下マルケス):それはリヤのグリップのせいだね。ミシュランのリヤタイヤはグリップがあるから、リヤをスライドさせることは難しい。そしてスライドさせると、よりシャープなスライドになる。だからコーナーに進入するときにリヤをスライドさせると問題になるんだ。スライドがシャープ過ぎてエイペックス(コーナーの内側の頂点)を逃してしまうんだ。

Q:君の最大の強みのひとつは、あらゆる状況に適応できることだ。MotoGPクラスデビューした2013年のフランスGPでは、ウエットで初めてのMotoGPレースだったね。君は8周目以降は最速のライダーだった。どうしてそんなことができたんだ?

マルケス:主な理由のひとつにはモトクロスでのトレーニングがあると思う。モトクロスはいつも同じサーキットを走るけど、最初の走行から最後の走行までの間で常に異なるコースに変化していくし、周回ごとに違うんだよ。だからそこに適応しなくちゃならない。トレーニングの午前中がウエットだとグリップがあるし、その日の遅くには(路面が乾いて)グリップがより少なくなる。ダートトラックバイクでも同じことだ。もしダートトラックバイクでトレーニングをしたら、毎回違うコンディションになるだろうね。

コーナーやタイヤによってライディングスタイルを変えると語るマルク・マルケス
コーナーやタイヤによってライディングスタイルを変えると語るマルク・マルケス

Q:レース中はコーナーやグリップによってライディングテクニックをいくつも使っているかい?

マルケス:もちろん。あるコーナーでは、強くブレーキをかけ、バイクをストップ&ゴーさせるし、違うコーナーでは、コーナリングスピードをより維持するようにする。

タイヤによっても異なるね。たとえばル・マン(第5戦フランスGP)では、僕は週末の間アグレッシブでいられた。周回を重ねてもタイヤのパフォーマンスが落ちなかったからだ。

でもムジェロ(第6戦イタリアGP)のようなコースでは、タイヤの割り当てをチェックして、フロントタイヤがとても柔らかいことが分かったから、望む様にプッシュできなくなるんだ。だから僕のライディングスタイルは同じにはならない。タイヤがそのライディングスタイルを受けつけないからね。

Q:ブリヂストン時代には、ライダーやエンジニアは多かれ少なかれ毎週末の予想ができていたけど、今では状況はとても異なっているね。

マルケス:それは全ライダー間ですべてのことが公平になっているからだ。各ライダーとバイクは、タイヤの割り当てからベストな選択肢を見つけるだろうからね。あるマニュファクチャラーにとって相性がいい週末もあれば、別の週末では他のマニュファクチャラーが調子を上げるかもしれない。

ブリヂストンタイヤでは、ミディアムのフロントタイヤに、ソフトのリヤタイヤでレースをしていたことがほとんどだった。みんな同じタイヤを使っていたんだ。今では全員に多くの選択肢がある。ヘレスでは何人かはソフトのリヤタイヤを選び、何人かはミディアム、何人かはハードを選んだ。それでも皆速かった。これはミシュランタイヤの良い点のひとつだね。

Q:タイヤ選択がより難しくなったことで頭と技術を使って違いを生み出せるという状況は気に入っている?


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