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MotoGP ニュース

投稿日: 2019.02.23 17:10
更新日: 2019.02.25 21:16

2019年SBK、開幕。レース1はルーキー、バウティスタがパニガーレV4 Rでデビューウインの快挙

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MotoGP | 2019年SBK、開幕。レース1はルーキー、バウティスタがパニガーレV4 Rでデビューウインの快挙

 2019年シーズンのスーパーバイク世界選手権(SBK)、その戦いの火ぶたがオーストラリアのフィリップ・アイランド・サーキットで切って落とされた。2月23日に行われた開幕戦レース1を制したのは、アルバロ・バウティスタ(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)。MotoGPからスイッチしたSBKルーキーが、優勝という鮮烈なデビューを飾った。

 レースフォーマットが大きく変わり、新しいスケジュールでスタートした2019年シーズンのSBK。土曜日は予選にあたる“スーパーポール”と、午後にレース1が実施される。

■スーパーポールはカワサキファクトリーふたりがフロントロウ獲得

 スーパーポールは土曜日の午前中、約25分のセッションで行われた。このスーパーポールは全車出走による計時予選で、レース1のグリッドとともに、日曜日に開催されるレース2の10番手以降のグリッドが決定する。

 まずターゲットタイムをマークしたのは、3回のフリー走行で総合トップタイムをマークしたバウティスタ。1分30秒054のタイムでトップをキープする。

 しかし残り時間5分で、2015年ぶりにSBKフル参戦復帰を果たしたレオン・ハスラム(カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK)が1分29秒624をマークしてバウティスタからトップを奪取。

 このままハスラムが開幕戦レース1のポールポジションを獲得するかと思われたが、4連覇王者、ジョナサン・レイ(カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK)が、セッション最終盤のアタックでコントロールラインに飛び込んだ。タイムは1分29秒413で、トップに浮上。このタイムは2017年、レイ自身が記録したポールポジションのレコードタイムを更新するものだった。

 レイはそのままポールポジションを獲得。2019年シーズンの幕開けとなるレースを、ポールポジションの位置からスタートすることになった。

 2番手に続いたのはハスラムで、レイにはわずか0.2秒及ばなかったものの、十分な速さを見せた。カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBKのふたりがフロントロウに並び、盤石の強さと速さを示した。

 1列目の最後の一席を仕留めたのは、フリー走行で好調さを見せていたバウティスタ。今季から再びファクトリー体制となったBMWのトム・サイクス(BMWモトラッド・ワールドSBKチーム)が4番手、アレックス・ロウズ(パタ・ヤマハ・ワールドSBKチーム)が5番手に続いている。

 2009年ぶりにSBKに参戦する清成龍一(モリワキ-アルティア・ホンダ・チーム)は、1分31秒626で17番手を獲得。6列目からレース1に挑むことになった。

■レース1、SBKルーキー、バウティスタが独走優勝

 迎えた開幕戦レース1は気温21度、路面温度41度のドライコンディションのもと、22周の周回数で行われた。シグナル消灯とともに3番手のバウティスタが好スタートを切るが、1コーナー飛び込みではポールポジションのレイが先頭を守る。しかしバウティスタはレイの後方にしっかりとつけると、直後の3コーナーでレイをオーバーテイク。トップに浮上する。

 レイは2周目、ハスラムにも交わされ3番手に後退するが、すぐにポジションを奪い返す。2番手のレイと3番手のハスラム。カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBKのふたりが激しく火花を散らす間に、バウティスタはただひとり、1分30秒台のラップタイムを連発。5周目を終えるころには、2番手以下に対し約4.6秒のアドバンテージを築いていた。

激しい2番手争いを演じたレイとハスラム
激しい2番手争いを演じたレイとハスラム

 4周目には再びハスラムがレイをオーバーテイクして2番手に浮上。ハスラムとレイのテール・トゥ・ノーズの戦いが続く。ふたりはその後、何度もポジションを入れ替えながら2番手を奪い合い、これが結果的にバウティスタのひとり旅を許すことになった。

 レイとハスラムの戦いにより4番手以下の差が詰まり、トプラク・ラズガットリオグル(ターキッシュ・プセッティレーシング)やロウズ、サイクスが接近。ワンパックになって周回が重ねられる。

序盤からひとり集団を抜け出し、独走状態を築いたバウティスタ
序盤からひとり集団を抜け出し、独走状態を築いたバウティスタ

 そんな後方の激しいポジション争いに対し、トップを走るバウティスタのペースは変わらない。バウティスタはレース折り返しの11周目を終えたころ、2番手以下に対して約9秒の差を積み上げていた。

 13周目、レイとハスラムによる激しい2番手争いに、唐突に終止符が打たれた。2番手を走行中だったハスラムが、4コーナーで転倒を喫したのだ。スリップダウンしてグラベルに滑っていくハスラム。ハスラムはその後レースに復帰したものの、完全に表彰台争いからは脱落した。

 ハスラムのクラッシュにより2番手となったレイだが、今度は3番手に浮上してきたロウズに迫られる。15周目、レイのラップタイムは1分32秒490。対してロウズのラップタイムは1分32秒591で、ふたりの差はわずかに0.196秒。しかし、その後ロウズはレイに先行を許し、次第に引き離されていく。

 レース終盤にはそのふたりの後方、4番手争いも厳しさを増した。17周目、ここで4番手に浮上してきたのがマルコ・メランドリ(GRTヤマハ・ワールドSBK)だ。さらにマイケル・ファン・デル・マーク(パタ・ヤマハ・ワールドSBKチーム)、ラズガットリオグル、サイクスの4台がワンパックの状態となる。

終盤に追い上げを見せたメランドリ
終盤に追い上げを見せたメランドリ

 その集団を率いていたメランドリは、残り3周で遅れ始めた3番手のロウズの背後に迫ると、ロウズをオーバーテイク。3番手に浮上する。しかし最終ラップ、ロウズも負けじとメランドリに勝負を仕掛ける。ロウズはぎりぎりのブレーキングでメランドリのインに飛び込み、3番手に浮上する。

SBKデビュー戦で優勝を果たしたバウティスタ
SBKデビュー戦で優勝を果たしたバウティスタ

 SBK開幕戦レース1、先頭でチェッカーフラッグを受けたのは、レース序盤から速さを見せた、バウティスタ。2位に14秒以上の大差をつける完全独走で、バウティスタはSBKのデビューレースでポディウムの頂点に立った。SBKルーキーがデビュー戦で優勝するのは、2007年のマックス・ビアッジ以来の快挙である。また、この勝利はドゥカティ パニガーレV4 Rにとっても、デビューウインとなるものだった。

 2位表彰台を獲得したのは、ディフェンディングチャンピオンのレイ。ハスラムとの一騎打ちは思わぬ幕引きとなったが、その後、自身が獲得しうるベストポジションをキープしたと言えるだろう。

 3位に入ったのは最後の最後でロウズを交わし、わずか0.05秒差で表彰台の最後の一角を手にしたメランドリ。4位にはメランドリと接戦を繰り広げたロウズ、5位にはファン・デル・マークが続いた。

カワサキからBMWに移籍したサイクスは7位フィニッシュ
カワサキからBMWに移籍したサイクスは7位フィニッシュ

 中盤に追い上げを見せたサイクスは表彰台に迫ることはできなかったものの、6位に入ったラズガットリオグルとの差約0.3秒で7位入賞を果たしている。また、2位争いでレイと激しい攻防を繰り広げながらも転倒により大きく後退したハスラムは、15位でフィニッシュした。

清成龍一(モリワキ-アルティア・ホンダ・チーム)
清成龍一(モリワキ-アルティア・ホンダ・チーム)

 日本人ライダーの清成は17番手からスタートし16位でチェッカーを受け、SBK開幕戦レース1を終えた。チームメイトのレオン・キャミアはクラッシュ後にリタイアを喫しており、モリワキ-アルティア・ホンダ・チームにとっては厳しい門出となった。

 SBK開幕戦オーストラリアのスーパーポール・レースは日本時間の24日10時、レース2は13時から行われる。

 以下、SBK第1戦オーストラリア レース1決勝順位結果。


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