イギリス在住のフリーライター、マット・オクスリーのMotoGPコラム。MotoGPオフィシャルテストで見えた各メーカーの動きをオクスリーが分析する。
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2019年シーズン、ドゥカティはホンダとのMotoGPタイトル争いにおいて、これまでよりも優れた仕事ができることを期待している。2017年にはチャンピオン候補と目されていたが、結果が伴わなわず、2018年も王座獲得はならなかった。
理論上、2019年シーズンのホンダに挑むのはかつてないほどに難しいことだ。マルク・マルケスとホルヘ・ロレンソというチャンピオンライダーがホンダRC213Vに乗るからだ。しかし、ドゥカティはドヴィツィオーゾと新加入のダニロ・ペトルッチが、2018年のラインアップよりも団結し、ひいてはより強いチームを作ることを期待している。
「アンドレアとダニロには、より緊密に仕事をしてほしいと考えている」とドゥカティのゼネラルマネージャー、ルイジ・ダリーニャは語っている。
ダリーニャが正しいと誰に分かるだろう。結局のところ、彼は愚かではないのだ。多くのことはレプソル・ホンダのガレージで何が起こるかによるが、ドヴィツィオーゾとペトルッチは冬の間、一緒にトレーニングを行うなど、密接に仕事をしている。何が起ころうとも、対照的なチームの動向を見守るのは興味深いことになりそうだ。
ドヴィツィオーゾはロレンソというチームメイトを失ったことを悲しんではいない。ふたりが不仲だったことは広く知られている。
ドヴィツィオーゾは「ホルヘのデータを学ぶのはとてもポジティブなことだった。彼がバイクにしていることにはいつも何か特別なことがあったんだ」とロレンソについて話した。
「ある意味では彼がいなくて寂しいかもね。なぜなら彼のデータを見られないから。その他の意味では、彼がいなくて寂しいとは思わないよ」
ドヴィツィオーゾは2017年に6回優勝を飾ったが、2018年は、別種の小さな違いがあったために、優勝はたったの4回だった。ミシュランがレースタイヤを柔らかくしたため、彼はそれに足をすくわれてしまったのだ。
「僕たちは適切な基本セッティングを見いだすのに、多くのレースを必要とした。なぜなら2018年にミシュランはリヤタイヤを少し変えたからだ。違いが出るのに十分なほどにね」
「それにレースで僕たちは空力フェアリングを使ったり使わなかったりした。そのせいでセッティングと僕のライディングスタイルを変え続けなければならなかったから、あれはよくなかったね。6月のバルセロナの後、空力フェアリングを使い続けることを決め、セットアップを適切なものにしようとした。それに僕のライディングスタイルにも取り組んだ」
「僕たちが(8月のブルノから)また勝ち始めた頃、誰もが何か大きな変更を行ったのだと考えた。でもすでに高いレベルにあったら、何か大きな変更をすることは不可能だ。僕たちが好結果を出したのは、あちこちで小さな変更を施すために、すべての細部について分析し取り組んだおかげだ。それに僕のライディングについてもだ。主にライン取りと、スロットルの開け方についてね。でもそれはとても難しいことだった。本当に難しかった」
マルケスとロレンソを純粋に才能だけで打ち負かすのは確かに簡単なことではない。だがドヴィツィオーゾとダリーニャは、彼らにアドバンテージをもたらすかもしれない特別な取り組みを行った。そしてデスモセディチGPがコーナー中盤で速度が遅くなることには、前向きな点もあった。なぜならバイクがタイヤのエッジをそれほど使わずにすむからだ。近年のMotoGPではタイヤ寿命がすべてなのだ。だがもちろん、それほど簡単なことではない。
「変更したのは、リヤタイヤを酷使しないセットアップにするということではない。なぜならタイヤを酷使しないセットアップというものは存在しなんだ。僕が速さを出し、タイヤを酷使しないですむセットアップにすることがすべてなんだ」