スペイン在住のフリーライター、アレックス・ガルシアのモータースポーツコラム。今回はヨーロッパで人気を博しているMotoGPについて語ってもらった。現在のMotoGPでは多くのスペイン人ライダーが活躍しているが、その理由とは果たして……?
————————
MotoGPには、日本製のマシンとスペイン人ライダーの組み合わせという成功のための秘訣が存在しているが、スペイン人ライダーは1992年オランダGPでアレックス・クリビーレの初優勝まで1勝もしたことがなかったのだ。現在はポイントランキングのトップ10圏内には、6人ものスペイン人ライダーが入っているがそこには理由がある。
オランダGPでクリビーレが勝利してから25年間、スペイン人ライダーは360勝を成し遂げた。クリビーレの1勝を合わせると361勝、これは平均して年間14勝を達成していることになる。もちろん不振の年もあれば、スペイン人ライダーがほぼすべてのレースで勝利を収めた年もあるが、この数字は驚異的なものだ。
そんなスペイン人ライダーたちはどこから来たのだろうか。どのようにしてレーサー不毛の地が、一夜にして成功を収めたのだろうか。それを理解するためには、アンヘル・ニエトの時代まで振り返る必要がある。