レース界のマニアック“ヘンタイ”カメラマンこと鈴木紳平がお届けする全日本ロードレース選手権JSB1000ブログ。今回は、第2戦鈴鹿でレース1、2ともに圧倒的な速さで勝利したTeam HRCのホンダCBR1000RR SP2に迫ります。
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モータースポーツファンのみなさま、いかがお過ごしでしょうか。楽しかったゴールデンウィークも終わってしまい、五月病など発病していらっしゃいませんでしょうか。もし貴方がそうならば是非、非日常の情報が詰まった本ブログをお読みください。
今回は全日本ロードレース選手権JSB1000クラスのホンダファクトリーチーム(ワークスチーム)Team HRCの『ホンダCBR1000RR SP2』特集。第2戦鈴鹿を完全支配したTeam HRCのバイクに迫ってみたいと思います。それではブログ“Team HRC CBR1000RR SP2”編、いってみましょう。
まずはカウルを外した状態から。とにかくこのバイク美しいです。是非全国の皆様に見て来て頂きたい。
詳しいお話をTeam HRCの宇川監督に聞きたいと思います。宇川監督よろしくお願い致します。
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“ヘンタイ”カメラマン(以下、“ヘンタイ”):ではまず、ホンダCBR1000RR SP2の2018年仕様の振り返りとライダーからの2019仕様に向けてのリクエストを教えてください。
宇川徹監督(以下、宇川監督):2018序盤はチャタリング(コーナー進入時、またコーナリング中にフロントタイヤが細かく跳ねる現象)が発生し課題となっていました。やはりフロントの安心感がなければ速く走らせることは出来ませんし、ライダーからも改善要求がありました。
それらの課題を踏まえ、大幅にモディファイした車両を2018年の最終戦鈴鹿に投入しました。2019年に向けたプロトタイプ仕様ともいえる車両ですが、2019年仕様は2018年最終戦仕様をベースにし、基本的にはその延長線上にあるといえます。
“ヘンタイ”:では、改めて2019年仕様の開発ターゲットを教えてください。
宇川監督:まずはフロントの接地感の向上。さらに全体の剛性、補強の部材や場所を見直しています。
“ヘンタイ”:ちなみに、開幕戦もてぎ後どこか車両でアップデートした場所はあるのでしょうか?
宇川監督:特に大きな変更はしていません。鈴鹿はもてぎほどブレーキに厳しくないのでフロントブレーキローター径の縮小などの変更をしています。ポイントはリヤタイヤの使い方、そして2&4という事で4輪が走った事による路面グリップの変化への対応を重視しています。
“ヘンタイ”:では細かいところをお聞きしたいと思います。まず、エンジンはいかがでしょうか?
宇川監督:トップスピードの向上、同時にトルクカーブの改善を行いドライバビリティも向上しています。また制御の造り込みも行っています。そしてホンダ勢の強みのひとつである燃費は今年も健在です。