MotoGP第6戦イタリアGP MotoGPクラスの決勝がムジェロ・サーキットで行われ、ダニロ・ペトルッチ(ミッション・ウィノウ・ドゥカティ)が自身初優勝を飾った。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は5位フィニッシュを果たし、自己ベストリザルトを獲得している。
気温29度、路面温度49度、ドライコンディションで決勝レースは始まった。順調にスタートを切ったポールポジションスタートのマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)とは対照的に、2番手スタートのファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)はオープニングラップで大きくポジションを落とす。
6番グリッドだったカル・クラッチロー(LCRホンダ・カストロール)も好スタートを切りオープニングラップ序盤で2番手につけるが、その後、ドゥカティ勢に交わされてしまう。代わって2番手に浮上してきたのはアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ミッション・ウィノウ・ドゥカティ)、そしてジャック・ミラー(プラマック・レーシング)だ。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)も好スタートを切り、オープニングラップを6番手で終えている。
2周目を終えるころには、アレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)が13番手からポジションを大きく上げてきていた。リンスは3周目にファステストをマークし、さらに4周目にはペトルッチを交わして3番手に浮上。ただ、5周目に入るメインストレートでペトルッチ、ミラーのドゥカティ勢の加速により交わされ、さらにクラッチローにもオーバーテイクを許し5番手にポジションを落とす。
6周目、2番手にポジションを上げていたペトルッチがトップのマルケスに勝負を仕掛けた。このバトルに乗じてドヴィツィオーゾ、さらにミラーもトップをねらう。レースをリードしていたものの、2番手以下に大きな溝を開けることができずにいたマルケスはあっという間に後方に飲み込まれ、一時は5番手にまでポジションを落とす。
トップ争いはさながらMoto3クラスのような激しい接近戦となった。ドヴィツィオーゾ、ペトルッチ、ミラー、マルケス、リンス、クラッチローが絡み合い、すきをうかがい合う。ムジェロ・サーキットの長いホームストレートを利用した加速で、1コーナー飛び込みでは何度も複数台が横並びになるシーンが繰り広げられた。
このときポジションを上げてトップ集団につけていたスズキのリンスは、一時はトップを走行する奮闘を続けていた。しかし、長いメインストレートの加速でドゥカティ勢、ホンダのマルケスに度々交わされる。リンスはこのあともトップ集団で周回を重ねるが、次第にその集団内の後方につけることが多くなっていった。
12周目、3番手を走行していたマルケスは自己ベストを記録。そのままメインストレートでドヴィツィオーゾを交わし、2番手に浮上する。このとき先頭を走っていたのはペトルッチ。その差は約0.3秒だ。
レースが残り10周となるころには、息つく暇もないほどの激しいポジション争いはいったんの落ち着きを見せ始めた。トップを走るのはペトルッチ、2番手はマルケス、3番手はドヴィツィオーゾ、4番手がリンス、5番手にミラー。ここまでが先頭集団で、依然としてそれぞれの差はわずかだ。そして5番手のミラーの約3秒後方の6番手に、中上がつけていた。