MotoGP第7戦カタルーニャGPを終えた翌日の6月18日、バルセロナ-カタロニア・サーキットでMotoGPクラスのオフィシャルテストが行われ、マーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)がトップタイムをマーク。テストには2018年で引退し、KTMのテストライダーに就任したダニ・ペドロサ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)が初めて公式の場に登場した。
シーズン2回目のオフィシャルテストを迎えたMotoGPクラス。テスト日程は1日のみで、気温30度、路面温度55度のドライコンディションという高温な気候条件のもとで行われた。
このテストでは、MotoGPクラスのオフィシャルタイヤサプライヤーであるミシュランが、レースで割り当てられていたタイヤに加え、新仕様のリヤタイヤを4つ持ち込んでいた。ミシュランが持ち込んだ4つのリヤタイヤのうち、3つは2020年に向けたタイヤで、もうひとつは第11戦オーストリアGPと第15戦タイGPでの使用を予定しているという。新仕様のタイヤは多くのライダーが好印象のコメントを残していた。
カタルーニャテストでトップタイムを記録したビニャーレスは98周を周回。最後の周にカタルーニャGPのポールポジションタイム1分39秒484を上回る1分38秒967を記録して最速となった。ヤマハはこのテストで出力特性を滑らかにすべく、新しい電子制御とエキゾーストをテストしている。ビニャーレスのチームメイトであるバレンティーノ・ロッシ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)は、新型の指で操作するリヤブレーキもテストしていたようだ。
2番手は78周を周回し、76周目に1分39秒014を記録したフランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)。ヤマハのサテライトチームも、ファクトリーと同じく電子制御の改善を中心に取り組んでいた。
3番手は80周を周回し、61周目に1分39秒257を記録したポイントリーダーのマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)。マルケスはセッションの後半に4コーナーで転倒を喫したが、ケガはなかった。
ホンダ勢は新型のシャシーと空力パーツを持ち込み、後半戦と2020年に向けたテストに取り組んでいた。チームメイトのホルヘ・ロレンソ(レプソル・ホンダ・チーム)は、新型のシャシーと空力パーツに加え、エルゴノミクス(人間工学)と新型のフロントカウルを試していたが、午前中に9コーナーで激しい転倒を喫した。転倒後、メディカルセンターでチェックを受けたが、大事には至らなかったようで、午後には転倒の痛みがあるなかで走行を再開し、65周を走り切っている。
同じくホンダ勢のカル・クラッチロー(LCRホンダ・カストロール)もカタルーニャテストでロレンソと同じ空力パーツを試していた。クラッチローのチームメイトの中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は次戦以降に向けたセットアップのテストに加え、2019年型ホンダRC213Vもテストして1分39秒555を記録。カタルーニャテストを7番手とトップ10圏内で終えた。
スズキ勢は改良型のシャシーをアレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)とシルバン・ギュントーリ(チーム・スズキ・エクスター)がテスト。ドゥカティ勢はアップグレードしたシャシー、電子制御、空力パーツを試していた。なお、このテストでドゥカティ勢がカーボンシャシーをテストする場面が目撃されている。
カタルーニャテストで注目を集めていたKTMテストライダーのペドロサは51周を回り、38周目に1分41秒824を記録し25番手だった。
MotoGPクラスはカタルーニャでのテストを終え、6月28日から第8戦オランダGPがTTサーキット・アッセンで開幕する。MotoGPカタルーニャテストのタイム結果は以下の通り。