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MotoGP ニュース

投稿日: 2019.07.04 21:16
更新日: 2019.07.04 21:17

ヤマハのマシンが加速で大きく振られる理由。奥深い“フレームのしなり”/ノブ青木の知って得するMotoGP

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MotoGP | ヤマハのマシンが加速で大きく振られる理由。奥深い“フレームのしなり”/ノブ青木の知って得するMotoGP

 スズキで開発ライダーを務め、日本最大の二輪レースイベント、鈴鹿8時間耐久ロードレースにも参戦する青木宣篤が、世界最高峰のロードレースであるMotoGPをわかりやすくお届け。第22回は、あまり耳馴染みのない“フレームのしなり”について。ブレーキング、旋回、立ち上がりなどのフィーリングに影響を及ぼす“フレームのしなり”を青木ができるだけ分かりやすく解説する。

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 MotoGPニューカマーのファビオ・クアルタラロ(ペトロナスヤマハSRT)が、第7戦カタルーニャGP、第8戦オランダGPと連続表彰台獲得! 素晴らしい活躍を見せてくれた20歳の彼に、“6月ピーク疑惑”が……(←ワタシが勝手に言ってるだけですが)。グランプリでの彼のレースキャリアを振り返ると、毎年カタルーニャとオランダは好調なのだ。

 顕著なのは、Moto2クラスに参戦していた2018年だ。シーズン序盤はさほど目立つことがなかったクアルタラロは、カタルーニャGPでいきなり優勝。続くオランダGPも2位表彰台に立った。これがまた、ちょうど翌年のMotoGPシート争奪戦の真っ最中! 華々しい連続表彰台が関係者の目に留まり、2019年シーズンのMotoGPシート獲得に至った。

 ちなみに2018年、クアルタラロがMoto2クラスで表彰台に立ったのはその2戦だけ。自身の好調とシートの空き具合がちょうど噛み合ったわけだ。

カラルーニャ、オランダと2戦連続で表彰台を獲得したファビオ・クアラルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)
カラルーニャ、オランダと2戦連続で表彰台を獲得したファビオ・クアラルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)

 こういうのを、運と言う。クアルタラロが“持ってるライダー”だということは間違いない。そして2019年もカタルーニャとオランダで活躍し、確かに乗れている感じはある。好調の波が今後のドイツ、チェコと続けば、“6月ピーク疑惑”は単なるワタシの勘違いで、彼の実力は本物と判断できそうだ。

■マシンの挙動に大きく影響する“フレームのしなり”

 さて、今回はここからが本題。フレームのしなりについて語ろうと思う。相当にマニアックなので、頑張ってついてきてください。

“6月ピーク疑惑”のクアルタラロだが、オランダGPでは5コーナーを立ち上がってからのストレートでブルブルと大きく振られるシーンがたびたび見られた。ストレートとはいえやや右に曲がっており、なおかつバンプ(凹凸)がある箇所だ。

 そのバンプをきっかけにして、どのメーカーのマシンも大なり小なりブルブルが発生していたのだが、クアルタラロのヤマハYZR-M1はほとんど収束せず、それどころかどんどん増幅してしまうので、アクセルをかなり戻していた。恐らく、YZR-M1のフレームが硬すぎることによる弊害だとワタシは睨んでいる。


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