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MotoGP ニュース

投稿日: 2019.09.06 17:02
更新日: 2019.09.06 17:34

多くの波乱呼んだ2019年の鈴鹿8耐。FIMに聞く原因と対策

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MotoGP | 多くの波乱呼んだ2019年の鈴鹿8耐。FIMに聞く原因と対策

 カワサキのファクトリーチーム、Kawasaki Racing Team Suzuka 8H(ジョナサン・レイ/レオン・ハスラム/トプラク・ラズガットリオグル)が優勝し、26年ぶりのカワサキ優勝で幕を下ろした2019年の鈴鹿8時間耐久ロードレース。しかし、当日はカワサキの勝利が決まるまで紆余曲折があった。赤旗終了のタイミングなど、レースディレクションの対応は正しかったのか。国際モーターサイクリズム連盟(FIM)のポール・デュパルク氏に聞いた。

 2019年の鈴鹿8耐決勝は、チェッカーまで残り2分を切った19時28分に、トップを走っていたレイがS字コーナーで転倒。この転倒により赤旗が掲示され、そのままレースは終了となった。

サーキットのビジョンに映し出されたジョナサン・レイの転倒シーン
サーキットのビジョンに映し出されたジョナサン・レイの転倒シーン

 Kawasaki Racing Team Suzuka 8Hは、赤旗によるレース終了から5分以内にフィニッシュラインを通過できなかったため、FIM世界耐久選手権(EWC)のレギュレーション『FIM ENDURANCE WORLD CHAMPIONSHIP AND CUP REGULATIONS』の1.22.5に基づき、決勝レースの順位認定から除外された。

 そのため、暫定結果ではレイの転倒前に2番手を走行していたYAMAHA FACTORY RACING TEAM(中須賀克行/アレックス・ロウズ/マイケル・ファン・デル・マーク)が優勝と発表され、暫定表彰式も執り行われた。

暫定表彰式の様子
暫定表彰式の様子

 その表彰式終了後、暫定結果に対しKawasaki Racing Team Suzuka 8Hが抗議。レースディレクションがこれを受理し、審議の結果、EWC競技規則の1.23.1に定められていた赤旗中断時の規則「レースリザルトについては、赤旗掲示前にラップリーダーならびにラップリーダーと同一周回のライダーがフルラップをこなした時点のものを採用する」という条項が適用されることになった。これにより暫定結果はKawasaki Racing Team Suzuka 8Hの暫定優勝に変わった。

 その後、決勝翌日の7月29日に行われたレース後車検の終了をもって正式結果が発表され、Kawasaki Racing Team Suzuka 8Hの鈴鹿8耐優勝が確定。1993年のスコット・ラッセル/アーロン・スライト組の優勝以来26年ぶり優勝の悲願を達成した。

鈴鹿8耐で26年ぶりに優勝したカワサキ(レオン・ハスラム、ジョナサン・レイ、トプラク・ラズガットリオグル)
鈴鹿8耐で26年ぶりに優勝したカワサキ(レオン・ハスラム、ジョナサン・レイ、トプラク・ラズガットリオグル)

 この一連の出来事のなかで、もっとも物議を醸しだしたのは、赤旗提示のタイミングだ。なぜなら、レイが転倒する約5分前にSuzuki Endurance Racing Team(以下、S.E.R.T.)のマシンがエンジンブローを起こしていたからだ。

 S.E.R.T.のマシンは2コーナーからコース外を走行したが、白煙を上げたまま再びコース上を走行。S字コーナーでマシンを止めた。この時、オイルが噴出していたことはほぼ間違いない状況で、弱い雨も降りだしていたこともあり、路面は極めて滑りやすい状況になっていたと思われる。

■アクシデント発生時「3つの選択肢があった」とFIM

 このアクシデントの発生時にレースディレクションはオイルフラッグを提示していたが、赤旗やセーフティカー出動という選択もあったのではないか。当時の状況についてデュパルク氏に聞くと「レース終了から8分前、S.E.R.T.にエンジントラブルが発生した時点で、レースディレクターには3つの選択肢があった」という。


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