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MotoGP ニュース

投稿日: 2019.09.16 06:00
更新日: 2019.09.13 21:57

JSB1000マシンフォーカス:「まだまだ武器が足りない」。改造範囲が広いからこそ難しいGSX-R1000のバランス取り

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MotoGP | JSB1000マシンフォーカス:「まだまだ武器が足りない」。改造範囲が広いからこそ難しいGSX-R1000のバランス取り

 ホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキの国内4メーカーがしのぎを削り合っている全日本ロードレース選手権JSB1000クラス。そんなJSB1000の車両をピックアップし、ライダーや関係者にマシンの強みや魅力を聞いていく。今回は、スズキのトップチームヨシムラスズキMOTULのスズキGSX-R1000にフォーカスする。

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 2015年の開幕戦以来、勝利から遠ざかっているスズキGSX-R1000。2016年には津田拓也(当時ヨシムラスズキシェルアドバンス)が粘り強いライディングでランキング2位につけたものの、未勝利だった。続く2017年、ヨシムラスズキMOTULは7代目となる新型を投入したが、津田は再び勝利なきランキング2位。2018年は表彰台に立つことなくランキング6位に沈んでしまった。

全日本ロードレース選手権第2戦鈴鹿のレース1で2位表彰台を獲得した渡辺一樹(ヨシムラスズキMOTUL)
全日本ロードレース選手権第2戦鈴鹿のレース1で2位表彰台を獲得した渡辺一樹(ヨシムラスズキMOTUL)

 2019年はライダーのラインアップを一新し、中堅の渡辺一樹、そしてベテランの加賀山就臣という顔ぶれに。ここまでの全8レース中で、渡辺が第2戦鈴鹿で2位表彰台を獲得している。

 2001年のデビュー以来、GSX-R1000を丹念に熟成してきたスズキ。2017年に登場した7代目はエンジン、車体ともにMotoGPマシンGSX-RR直系のテクノロジーをふんだんに盛り込み、大幅なステップアップを果たしたモデルだ。量産車としてのパフォーマンスは一級品と言える。

 だが、全日本ロードレース選手権JSB1000クラスにおいてスズキはファクトリー活動を行っておらず、プライベーターの名門ヨシムラスズキMOTULがトップチームという位置づけだ。スズキとの連携は密接だが、マシン性能を存分に引き出すという点においてはホンダ、ヤマハの両ファクトリー陣営に水を空けられていることは否めない。

 1993年に全日本に初参戦して以来、現在に至るまで長きにわたってスズキのライダーとしてレースを戦い続けている加賀山は、今年で45歳。豊富な経験を携えてヨシムラ入りし、チームの支柱となっている。

「量産車のGSX-R1000はナチュラルなハンドリングで非常に評判がいい。僕自身もクセのない乗り味だと感じます」と加賀山。

ヨシムラスズキMOTULのスズキGSX-R1000 2019年仕様(右フロント)
ヨシムラスズキMOTULのスズキGSX-R1000 2019年仕様(右フロント)

「JSB1000仕様にも多少その傾向は受け継がれていますが、JSBは改造範囲が広く、量産車と同じパーツはメインフレームとエンジン部品の数点ぐらい。まったく別モノと言っていいと思います」

「量産車の出来栄えで言えば、GSX-R1000はライバル車にまったく負けていない。これは断言できます。でもJSB仕様のエンジンは量産車をはるかに超えるパワーが出ていますし、タイヤもハイグリップなスリックタイヤを履く。それに合わせたバランス取りをしなければなりません。その部分では、残念ながらまだライバル車に届いていない部分がある」

 バイクは非常に繊細な乗り物だ。例えば加賀山は「ハンドリングの素性の良さが、コーナリングスピードにつながっていない」と言う。いかにハンドリングが良くても、エンジンの出力特性やタイヤとのマッチングなどさまざまな要素によって、コーナリングスピードを損なってしまうことがあるのだ。

ヨシムラスズキMOTULのスズキGSX-R1000 2019年仕様(左フロント)
ヨシムラスズキMOTULのスズキGSX-R1000 2019年仕様(左フロント)

■突出した武器が必要なGSX-R1000


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