電動バイクによるチャンピオンシップ、FIM Enel MotoE World Cup(FIMエネルMotoEワールドカップ)第3戦が、MotoGP第13戦サンマリノGPと併催でミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリにて行われた。今大会は2レースが設定され、ともにマッテオ・フェラーリ(トレンティーノ・グレシーニMotoE)が優勝を飾った。
電動バイク、エネルジカのエゴ・コルセのワンメイクマシンによって争われるMotoE。2レース制のサンマリノGPは、金曜日に2回のフリー走行と予選のE-ポールが行われ、土曜日のMoto2クラス予選後にレース1、日曜日のMoto3クラス決勝レース前にレース2が設定された。
E-ポールでは、開幕戦ウイナーのニキ・トゥーリ(アジョMotoE)と前戦オーストラリアGPのウイナー、マイク・ディ・メリオ(エストレージャ・ガルシア・0,0・マーク・VDS)がクラッシュ。さらにエリック・グラナド(アビンティア・エスポンソラーマ・レーシング)とセテ・ジベルナウ(ジョイン・コントラクト・ポンス40)はトラックリミット超過でアタックタイムが取り消されている。
MotoEの予選方式はひとりずつワンラップアタックによってグリッドを決定するため、今回のようにアタックラップが取り消しとなった場合、セカンドタイムがない。そのため、基本的にタイムを記録できなかったライダーは最後尾スタート。今回は複数のライダーがタイムを記録できなかったが、こうした場合には2回のフリー走行のベストタイムによって最後尾からグリッドが決定される。
第3戦のE-ポールでポールポジションを獲得したのは、母国ライダーのアレックス・デ・アンジェリス(オクト・プラマック・レーシング)。2番手はMoto3参戦歴を持つフェラーリ、3番手は元MotoGPライダーのチャビエル・シメオン(アビンティア・エスポンソラーマ・レーシング)で、フロントロウを獲得した。
ちなみにデ・アンジェリスのポールポジションタイム1分44秒660は、今大会のMoto3クラスのポールシッター鈴木竜生(SIC58 Squadra Corse)が記録した1分42秒844よりも2秒ほど遅い。一方で長いストレートを持つサーキットレイアウトの前戦オーストリアGPではMotoEのポールポジションタイムがMoto3のそれを上回った。260kg以上の車両重量、そして電動バイクの特性が、サーキットによるタイムの差を生んでいるようだ。