MotoGP第14戦アラゴンGP MotoGPクラスの決勝がモーターランド・アラゴンで行われ、マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)が優勝した。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は13位でフィニッシュしている。
決勝日の午前中に行われたウオームアップ走行では、ウエットコンディション。しかし天候はこのときすでに晴れの方向に向かっていた。路面状況はセッション中、次第にドライへと向かっていき、Moto3クラスの決勝レースはドライコンディションで行われている。ただ、土日ともに午前中にはウエットコンディションとなる不安定な天候の週末となった。
また、土曜日のフリー走行4回目で激しい転倒を喫し、左手首を骨折したポル・エスパルガロ(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)の欠場により、12番グリッド以降のポジションが予選結果よりもひとつずつ繰り上がった。予選で14番手のタイムだった中上は、13番グリッドから決勝レースを迎えることになった。
決勝レースは気温27度、路面温度32度のドライコンディションで始まった。ホールショットを奪ったのは、ポールポジションスタートのマルケス。2番手にファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)が続くが、3番手スタートのビニャーレスはスタートでひとつポジションを落として4番手。代わって3番手にはジャック・ミラー(プラマック・レーシング)が浮上する。
オープニングラップには8番手スタートのフランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)が12コーナーで転倒。この転倒はモルビデリの後方にいたアレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)が接触したもので、リンスも大きくポジションを落とし18番手にまで後退している。一方、モルビデリはここでリタイア。この接触は、審議の対象となった。
マルケスは1周目にして早くもハイペースを刻む。この周を終えて、2番手に浮上していたミラーとの間に約1.5秒の差を築くことに成功していた。マルケスは2周目にはファステストラップを叩き出し、序盤にして独走態勢に入る。
序盤の2番手争いは、やや抜け出しつつあるミラー、それを3番手争いを展開しながら追うクアルタラロとビニャーレスによって争われた。ビニャーレスは6周目にはクアルタラロをとらえ、3番手に浮上し、ミラーを追いかける。クアルタラロのペースはやや苦しく、ミラーとビニャーレスをぴったりとマークできずにいた。
その後方では、5番グリッドという上位スタートとなったアレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ)とアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ・チーム)、バレンティーノ・ロッシ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)、カル・クラッチロー(LCRホンダ・カストロール)によって5番手争いの集団が形成されていた。
6周目にはリンスに、『無責任な走行』によるロングラップ・ペナルティが科される。オープニングラップのモルビデリとの接触によるものだとみられる。リンスはこのとき、中上の前、12番手を走行していた。
中上はオープニングラップで11番手にポジションを上げたものの、苦しい戦いが続く。7周目を終えて13番手を走行。前を行くリンスとの差も1秒以上ある状況だ。
8周目、2番手争いを繰り広げていたビニャーレスがミラーをオーバーテイク。ビニャーレスはミラーを交わすと、その差を広げにかかる。トップのマルケスははるか4.5秒以上前方を独走中。
2番手スタートのクアルタラロは3番手、4番手に後退したのち、さらに9周目、後方から追い上げてきたドヴィツィオーゾにもポジションを奪われた。5番手に後退すると、さらにその後ろにはアレイシ・エスパルガロとクラッチローが迫る。
4番手に浮上したドヴィツィオーゾは3番手のミラーを追う。レース半分を終えた12周の終わりで、その差は0.5秒を切るまでになっていた。少しずつその差を削っていくドヴィツィオーゾ。15周目には、完全にミラーとテール・トゥ・ノーズの状態になると、ついにドヴィツィオーゾがミラーをとらえた。
ミラーを交わして3番手に浮上したドヴィツィオーゾ。この時点で、トップのマルケスは6秒以上、2番手のビニャーレスは1秒ほど前を走行している。