レーシングドライバー・ライダーを認識するために最も重要となる装備がヘルメットだ。今回は、全日本ロードレース選手権JSB1000クラスを戦うライダー9人にヘルメットデザインのコンセプトやこだわりを聞いていく。レーシングライダーはヘルメットにどんなこだわりを持っているのだろうか。
■渡辺一樹(ヨシムラスズキMOTUL)
使用ヘルメット:シヨウエイ
「親も含め一家でバイクに乗るのですが、そこからシヨウエイの流れがあって、シヨウエイのヘルメットを長く使っているという形です」
「ここだわりはデザインが左右非対称なところです。左右非対称のデザインにしたきっかけは、2017年のスーパースポーツ世界選手権(WSS)参戦で、そのとき改めてデザインを変えました。右と左で見える表情が違うというのが好きなところです」
「デザインの細かいところでいうと、流れるようなデザインで、そのなかに尖っている部分があるところです。後部のパンプキンに関しては、自分が10月生まれというところからハロウィンに繋がり、そこからジャック・オー・ランタンを選びました。パンプキンも最初に使っていたものから、いろいろと変わっているんですよ」
■加賀山就臣(ヨシムラスズキMOTUL)
使用ヘルメット:シヨウエイ
「2000年にアライからシヨウエイに変わり、そのときにデザインを新調しました。自分はアメリカのクルマが好きで、コブラというクルマの白い2本線、いわゆる“コブラカラー”が好きでヘルメットデザインもそれをモチーフにしています。自分のトレードマークにしたかったのがコブラカラーでした」
「イギリス選手権に行く頃(2003年)にレプリカヘルメットが販売され、二輪業界で爆発的な人気が出て、縦の2本線を誰もが使うようになってきました。いろんなメーカー、ライダーが2本線をモチーフにしてカッコよくしているのが流行ったのが嬉しかったですね」
「この2本線も幅と距離でカッコよさが変わるのですが、シヨウエイと一緒に開発をして、幅と距離をすごく計算して作ったのが今の形です。コブラカラーは絶対に崩さず、横の模様を少しずつ変えていくというのがヘルメットデザインのスタンスです」
「2005年くらいに雑誌の企画でヘルメットデザインイヤーというのがあり、一番になったこともあります。デザインは少しずつ変えていますが自信作です」
■岩戸亮介(Kawasaki Team GREEN)
使用ヘルメット:シヨウエイ
「ヘルメットをデザインしてくれたのは京都府にあるWADY-DESIGNさんです。小さい時に僕をイメージして作ってもらったのがこのドラゴン柄で、それを継続して使っています」
「お気に入りは、ドラゴンの柄です。デザインのなかに自分の名前も入っています。今年からKawasaki Team GREENで参戦しているので緑色を始めていれました。もともと白や赤が好きで、そこにチームカラーの緑を掛け合わせてデザインしてもらいました」