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MotoGP ニュース

投稿日: 2019.09.30 07:25
更新日: 2019.09.30 07:36

SBKフランス:レイ、史上初の5連覇を達成。2戦を残して2019年シーズンのチャンピオンに輝く

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MotoGP | SBKフランス:レイ、史上初の5連覇を達成。2戦を残して2019年シーズンのチャンピオンに輝く

 スーパーバイク世界選手権(SBK)第11戦フランスラウンドがマニクール・サーキットで行われ、ジョナサン・レイ(カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK)がレース1、スーパーポール・レースで2位、レース2で優勝。このフランスラウンドで、5年連続のSBKチャンピオンに輝いた。

 フランスラウンドでは、第5戦イタリア(イモラ)ラウンドの予選で怪我を負い、欠場が続いていたレオン・キャミア(モリワキ-アルティア・ホンダ・チーム)が復帰している。

 ウエットコンディションで行われたスーパーポールでは、レイがポールポジションを獲得。2番手がマイケル・ファン・デル・マーク(パタ・ヤマハ・ワールドSBKチーム)で、3番手がレオン・ハスラム(カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK)のフロントロウ。バウティスタは14番手だった。今大会は3レースの結果によってレイがチャンピオンを獲得する可能性があり、バウティスタはそれを阻みたいところだが、グリッドでは大きな差ができてしまった。

■レース1:レイとのトップ争いを制して初勝利を手にしたラズガットリオグル

 レース1はスーパーポールから天候、路面ともに回復。気温19度、路面温度21度のドライコンディションで行われた。ホールショットを奪ったのはレイで、ファン・デル・マーク、ハスラムが続く。ファン・デル・マークはオープニングラップから積極的にレイに仕掛けていく。そうする間に、3番手のハスラムにはトム・サイクス(BMWモトラッド・ワールドSBKチーム)が迫り、さらにファン・デル・マークを交わして2番手に浮上する。

 サイクスは2周目も果敢に攻め、5コーナーでレイとサイド・バイ・サイドの激しいトップ争いを見せ、ついにはレイからトップを奪う。3番手には11番グリッドスタートのチャズ・デイビス(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)がつけ、4番手にファン・デル・マーク、5番手にトプラク・ラズガットリオグル(ターキッシュ・プセッティレーシング)が続き、混戦の様相だ。

 序盤のトップ争いは目まぐるしく展開していった。4周目にはトップのサイクスからレイ、ラズガットリオグル、デイビス、ハスラム、ファン・デル・マークまでがほぼワンパックの状態。混戦により、何度もポジションが入れ替わる。

序盤から中盤にかけて、激しいトップ争いが繰り広げられた
序盤から中盤にかけて、激しいトップ争いが繰り広げられた

 しかしそんな4周目9コーナーで、一時はトップも走っていたデイビスが転倒。3番手を走っていたデイビスは2番手のラズガットリオグルのインにマシンをねじ込んだが、その際、ラズガットリオグルと接触。デイビスはスリップダウンを喫してリタイアとなった。ラズガットリオグルはそのままレースを続けている。

 6周目にはレイ、さらにはファン・デル・マークがトップのサイクスにテール・トゥ・ノーズで接近。3台が三つどもえとなって激しいトップ争いを演じる。7周目には、サイクスを交わして再びファン・デル・マークがレースリーダーとなった。ファン・デル・マークは中盤にひとり飛び出し、2番手以下を引き離していく。

 11周目、レースをリードするファン・デル・マークと2番手のレイとの差は約1.5秒。レイは少しずつファン・デル・マークへの追い上げを見せ始め、16周を終えるころにはその差は1秒を切った。

 チャンピオンシップのランキング2番手であるバウティスタは、7番手から6番手を走行中。前を行くアレックス・ロウズ(パタ・ヤマハ・ワールドSBKチーム)のすぐ後ろについて追いかける。レイよりも前でゴールしたいところだが、状況は厳しい。

 残り4周、トップのファン・デル・マークと2番手レイとの差は約0.5秒にまで迫っていた。レイは終盤にもかかわらず、残り4周で1分37秒759のファステストラップを叩き出す。ペースは明らかにファン・デル・マークよりもレイの方が速く、残り3周で、レイは完全にファン・デル・マークを射程圏内にとらえた。

 レイの猛追を受けていたファン・デル・マークだったが、残り3周の5コーナーでまさかのスリップダウン。グラベルへと滑っていくファン・デル・マークの横を、レイが通り過ぎていく。ファン・デル・マークはマシンを起こして再びレースに加わったが、10番手以下にポジションを落とした。

 ファン・デル・マークに代わって先頭に立ったレイ。しかし今度は、2番手のラズガットリオグルの猛追を受けることになる。最終ラップでレイとの差を詰めてきたラズガットリオグルは13コーナーでレイをオーバーテイク。そのままポジションをキープすると、トップでチェッカーを受けた。

 序盤から最後まで、役者を変えたトップ争いを最後に制したのは、SBK参戦2年目のラズガットリオグル。2019年シーズンはここまで8度の表彰台を獲得し、間違いない実力を見せていたラズガットリオグルが、レイをねじふせる形でついにSBK初勝利を挙げた。

SBKで自身初優勝を挙げたラズガットリオグル
SBKで自身初優勝を挙げたラズガットリオグル

 2位はレイで、ファン・デル・マークへの見事な追い上げを見せながらも、ラストラップでラズガットリオグルに交わされた。3位はトム・サイクス。2019年シーズン4度目の表彰台を獲得している。

 4位フィニッシュはロリス・バズ(テンケイト・レーシング)。バウティスタはロウズとの5位争いを制した。終盤までレースリーダーでありながら転倒を喫したファン・デル・マークは、13位でレースを終えている。9番グリッドスタートの清成龍一(モリワキ-アルティア・ホンダ・チーム)は、18位だった。

9番グリッドスタートだった清成は18位でフィニッシュ
9番グリッドスタートだった清成は18位でフィニッシュ

■SBK第11戦フランス レース1順位結果(21周)

Pos. No. Rider Team/Machine Time/Gap
1 54 T.ラズガットリオグル ターキッシュ・プセッティレーシング(カワサキZX-10RR) 34’37.686
2 1 J.レイ カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK(カワサキZX-10RR) 0.240
3 66 T.サイクス BMWモトラッド・ワールドSBKチーム(BMW S1000RR) 6.839
4 76 L.バズ テンケイト・レーシング(ヤマハYZF-R1) 8.497
5 19 A.バウティスタ Aruba.it レーシング-ドゥカティ(ドゥカティ パニガーレV4 R) 9.368
6 22 A.ロウズ パタ・ヤマハ・ワールドSBKチーム(ヤマハYZF-R1) 15.129
7 2 L.キャミア モリワキ-アルティア・ホンダ・チーム(ホンダCBR1000RR) 25.067
8 33 M.メランドリ GRTヤマハ・ワールドSBK(ヤマハYZF-R1) 26.869
9 50 E.ラバティ チーム・ゴーイレブン(ドゥカティパニガーレV4 R) 32.091
10 11 S.コルテセ GRTヤマハ・ワールドSBK(ヤマハYZF-R1) 32.823
11 81 J.トーレス チーム・ペデルチーニ・レーシング(カワサキZX-10RR) 35.409
12 36 L.メルカド オレラック・レーシングVerdNatura(カワサキZX-10RR) 41.945
13 60 M.ファン・デル・マーク パタ・ヤマハ・ワールドSBKチーム(ヤマハYZF-R1) 46.640
14 21 M.ルーベン・リナルディ バーニーレーシングチーム(ドゥカティ パニガーレV4 R) 1’03.136
15 52 A.デルビアンコ アルティア・ミエ・レーシングチーム(ホンダCBR1000RR) 1’07.315
16 28 M.ライターベルガー BMWモトラッド・ワールドSBKチーム(BMW S1000RR) 1’07.679
17 20 S.バリアー ブリックス・パフォーマンス(ドゥカティ パニガーレV4 R) 1’08.300
18 23 清成龍一 モリワキ-アルティア・ホンダ・チーム(ホンダCBR1000RR) 1’11.449
RET 91 L.ハスラム カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK(カワサキZX-10RR) 5 Laps(リタイア)
RET 7 C.デイビス Aruba.it レーシング-ドゥカティ(ドゥカティ パニガーレV4 R) 17 Laps(リタイア)

■スーパーポール・レース:新鋭ラズガットリオグルが2連勝


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