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MotoGP ニュース

投稿日: 2019.10.17 20:39
更新日: 2019.10.17 20:48

MotoGP日本GP:中上、怪我を抱えながらも「出るからにはベストを尽くす」と母国グランプリに固い決意

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MotoGP | MotoGP日本GP:中上、怪我を抱えながらも「出るからにはベストを尽くす」と母国グランプリに固い決意

 MotoGP第16戦日本GPの木曜日プレスカンファレンスに中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)が出席し、今週末のレースに向けた意気込みや、先日発表された怪我の状況などについて語った。

 会見で2020年の契約について質問されると、中上は「火曜の午後、ふたつのニュースを発表しました」と切り出した。10月15日、中上はHRCおよびLRCホンダとの契約更新について発表。2020年も引き続き、LCRホンダからMotoGPに継続参戦することが明らかにされた。

「一つはいいニュース、一つは悪いニュースです。いいニュースは、HRCと2020年の契約を結んだこと。とてもうれしいことです。悪いニュースは、僕のアッセンGPのレース中に負った怪我のことです」

「僕はこの怪我について話したくはありませんでした。最後の瞬間まで、誰にもこのことを話したくなかったんです。アラゴンGP前、チーム、特にチームマネージャーのルーチョ(・チェッキネロ)と話し合いを持つべきときが来たと思いました。もちろん、HRCとも」

 中上はアッセンGPのレース中に他者と接触して激しい転倒を喫した。当初は右足首をひどく痛め、次戦ドイツGPでは歩くにも松葉杖を使っていた。しかし、レースを重ねるごとに悪化していったのは右足首ではなく、右肩だった。

「アッセンでのクラッシュ後、右肩を痛めました。レースを重ねるごとに、パフォーマンスが失われていったんです。ご存知のように、2019年はとてもハードなシーズンを送っています。残りの3戦に出られないことはすごく残念です。もちろん、バレンシアまで参戦し続けたいと思っていました」

「けれど、現状は難しく、ここ数戦は完走するのさえ厳しい状況でした。サーキットレイアウトにもよりますが、アラゴンは(怪我にとって)とても悪いサーキットでしたし、タイは、バイクを押さえつけるのに苦心しました。力が抜けてしまっていたんです。今は手術をするときなのです。3戦を欠場することにはがっかりしていますが、起こってしまったことです。来季に向けて、ポジティブに考えましょう」

マルケスと中上は、タイで肩の怪我について話したりもしたのだとか
マルケスと中上は、タイで肩の怪我について話したりもしたのだとか

 ちなみに会見では、同じく肩の手術の経験を持つマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)が、中上に「(完治には)3カ月かかると医者に言われたんだけど、僕はそれを信じていなくて、1カ月半で治そうと思った。そうしたら、2カ月半かかった。だから、医者の言うことには従った方がいいね」とアドバイス。中上も苦笑いしながらアドバイスに耳を傾けていた。

 実際のところ、中上はアッセンGPでの転倒後、いまひとつ波に乗りれていない感はあった。アッセンGP後のベストリザルトはチェコGPの9位で、2019年に入り常連となっていた予選Q2への進出も、アッセンGP後はQ1どまりのグランプリもあった。こうしたパフォーマンスは、やはり右肩の怪我が影響していたのか、と会見後に質問すると、「今言えるのは……、そうです」という回答が返ってきた。レースごとに、状況が厳しくなっていったのだという。

「ポイント圏外でのレースパフォーマンスだったらきっぱりあきらめて、すぐに手術をしようと思っていました。ただ、なんとか歯を食いしばってここ2戦は10位でフィニッシュできたので、それが日本GPまでがんばろうと思えた理由なんです」

 右肩の負傷は右手の握力にも影響を及ぼした。それはつまり、ブレーキを握るのに必要な力、また、ブレーキングで上体を支える力に影響するということだ。ストップ&ゴーのレイアウトを持つ母国グランプリの開催地、ツインリンクもてぎは、右肩に怪我を抱える今の中上にとって簡単なサーキットではない。それでも中上は「出ると決めたからにはベストを尽くします」ときっぱりと言い切った。

■タイGPで投入のカーボンスイングアームの効果のほど


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