10月18日に栃木県のツインリンクもてぎで開幕したMotoGP第16戦日本GP。この大会のMoto3クラスには、長谷川聖(Team Anija Club Y’s)と山中琉聖(Estrella Galicia 0,0)の日本人ライダーふたりがワイルドカード参戦している。そんなふたりに初日の走りと現状を聞いた。
■基準タイム満たせずも「驚くほど絶望はしてない」と長谷川
全日本ロードレース選手権J-GP3クラスを戦い第7戦オートポリスでチャンピオンを獲得した長谷川。日本GPは全日本チャンピオンとして臨んでいるが、かなり苦戦している状況だ。
長谷川はフリー走行1回目(FP1)で7周しかできていなかった。これはFP1のクラス最小のラップ数だった。そして、フリー走行2回目(FP2)ではトラブルが発生し、マシンを止める場面もあった。タイムはFP1が2分6秒840、FP2が2分5秒159で、初日総合トップとは8秒417差と大きく離されている。
FP1からFP2の流れで1.5秒以上のタイムアップは果たしているが、長谷川が記録したタイムは107%ルール(基準タイム)を両セッション満たせていない。初日を終えた長谷川に今の状況を聞いた。
「ECUのセッティングがうまくいっていなくてマシンを普通の状態に持ってこれていない状況です。周回できていないかったのはそれが理由です」と長谷川。今大会では、ECUをMoto3で全車共通のデロルト製に変更する必要があり、そのECUとマシンの合わせこみに時間を要しているようだ。
FP2では11周を周回するも、途中コース上でマシンを止める場面も見られた。マシンを止めた理由はハード面でのトラブルによるものだった。
「ECUの合わせこみを行っている最中でも、チェンジロッドが折れてしまうという別のトラブルも発生してしまいました。そのパーツは全日本で使っていたものではなく、今回に向けて持ってきたものでした。事前にテストもできていないので、準備が全然できていない状態です」
初日を終え、かなり厳しい状況に立たされている長谷川だが、走っている中で希望も見えたという。
「驚くほど絶望はしていません。むしろ、希望を感じることができました。はたから見たらトップと8秒差ありますが、コーナースピードは想像していたよりも離されていないと感じました」
「もちろん、周りはすごいところのほうが多いですが、マシンが普通に走ってくれればコーナーで何とかできるかなと思っています。まだ、マシンを普通の状態に持ってこれていないので、何とも言えません」
「予選が規定タイム外だとまずいので、まずは規定タイムに入れたいです。(予選日は雨予報があり)雨の方が、差も大きくならないと思います。マシンが普通に走ってくれれば、あとは僕がコースで何とかするだけです」