前戦の第15戦タイGPでマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)がチャンピオンを決め、消化試合とも言える状態で迎えたMotoGP日本グランプリ。ここ数年、マルケスはチャンピオンを決めた次のレースで転倒リタイアが多く、どんなレースを見せるか注目された。
また、成長著しいファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)が今回こそマルケスを破ってMotoGPクラス初優勝を達成するのでは? という声も多かったが、実際はマルケスが速さと強さを見せつけた。
マルケスがツインリンクもてぎで初ポールポジションというのは意外だったが、ホールショットを奪うと、S字コーナーの進入でクアルタラロにかわされる。すぐにヘアピンの進入で抜き返したマルケスは、その後はハイペースでレースをリード。追いすがるクアルタラロを寄せ付けずジリジリと引き離して行く。
そして残り2周でガソリンの警告灯が点いたため、クアルタラロとの差を確認しながら1分47秒台までペースを落とし最後は豪快なウイリーでチェッカー。ウイニングランでは、ちょうど半周したS字コーナーに差し掛かったところでガス欠になり、コースオフィシャル、そしてハフィス・シャーリンに押してもらいピットに戻ることができていた。ガス欠の原因は想定以上のペースで走ったからだという。要は速すぎたためのガス欠だったのだ。
クアルタラロも、すばらしい速さを見せていた。マルケス以外では、ただひとり決勝1分45秒台をマークし、序盤は約1秒のギャップをキープしながら食らいついて行っていた。今回の日本グランプリで、クアルタラロはルーキー・オブ・ザ・イヤーを決めており、2020年シーズン以降の活躍にも期待がかかるところ。この若き才能をヤマハは、絶対に離さないようにしないといけないだろう。
チームメイトのフランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)も、決勝ではタイヤのフィーリングが変わってしまったようで予選までのパフォーマンスは見られず、最終コーナー立ち上がりでカル・クラッチロー(LCRホンダ・カストロール)にかわされ6位という結果だったが、こちらもクアルタラロに引っ張られる形でトップ6に安定して入ってきている。
一方、ヤマハの本家ファクトリーチーム、モンスターエナジー・ヤマハMotoGPは、マーベリック・ビニャーレスは上り調子だが、バレンティーノ・ロッシの低調振りが目についた。ロッシは、決勝も転倒リタイアとなり、2020年に結果を残せなければ世代交代を決断するシーズンになりそうだ。