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MotoGP ニュース

投稿日: 2019.10.25 22:09
更新日: 2019.10.25 22:18

【MotoGPコラム前編】90%が心理戦のバイクレース。日本GPの燃費問題も克服した王者マルケスの強さ

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MotoGP | 【MotoGPコラム前編】90%が心理戦のバイクレース。日本GPの燃費問題も克服した王者マルケスの強さ

 イギリス在住のフリーライター、マット・オクスリーのMotoGPコラムをお届け。第16戦日本GPの舞台となるツインリンクもてぎは燃費に厳しいサーキットと言われており、王者マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)もこの問題の対処に悩んでいた。そんなマルケスは、決勝を燃料ギリギリの状態で制し、ホンダにコンストラクターズタイトルをもたらした。そんな日本GPでのレースをオクスリーが分析する。

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 MotoGP第16戦の舞台となるツインリンクもてぎでは、他のどのMotoGPサーキットよりも燃料が消費される。それがレース勝者のマルケスがフィニッシュライン通過後にマシンを停めた理由だ。

 マルケスは日本GPで最高峰クラス54勝目を上げた。これはマイケル・ドゥーハンが1990年9月から1998年10月までの間に500ccクラスで達成した54勝に並ぶ記録だ。ホンダのマシンでこれ以上の勝利を飾ったライダーは他にいない。

日本GPを制したマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)
日本GPを制したマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)

 マルケスの2019年シーズン10勝目は、4戦連続優勝の4戦目にあたる。言い換えればマルケスは、決勝日の朝に目を覚ましたライバルたちに、今日2位になるのは誰だろうかと考えさせ始めてしまっているのだ。これはまさにドゥーハンが好んでやったことだ。

 ドゥーハンが、バイクレースは90%が心理戦だと語っていたのはよく知られている。そうして、バイクに乗る前から、ライバルたちを負かすことができるという。ファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)がヤマハYZR-M1に乗ってピットレーンから出て行く前から負けていたとは私は思わないが、現王者マルケスに打ち勝つためにクアルタラロが何を試したにしろ、それはあまり役には立たなかったようだ。

■マルケスが抱えていた唯一の問題

 なお、マルケスにとって日本GPで唯一問題になりかけたのはガス欠だ。この問題により、1998年にホンダ設立50周年を記念して建設されたホンダのホームサーキットで少々恥ずべき結果となる可能性があった。

 ツインリンクもてぎのコースレイアウトは他のどのMotoGPサーキットよりも多くの燃料を消費させる。バイクは毎周回、5カ所の低速ギヤコーナーの立ち上がりで加速する際に燃料を燃やすことになる。ツインリンクもてぎに近いところまでMotoGPマシンの22リットル燃料タンクを空にするサーキットは、第9戦オーストリアGPの舞台となったレッドブルリンクだ。

 レッドブルリンクでは毎周回、3回のドラッグレースがあるようなものなのだ。また開幕戦カタールGPの舞台となったロサイル・インターナショナル・サーキットでは、酸素量が多い夜間の気温下で、バイクのエンジン管理システムを燃料をより消費するようなセッティングにする必要がある。


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