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MotoGP ニュース

投稿日: 2019.10.29 18:45
更新日: 2019.10.29 20:40

SBK:年間17勝で5連覇達成のレイ、最終戦カタールで3勝挙げてシーズンを締めくくる

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MotoGP | SBK:年間17勝で5連覇達成のレイ、最終戦カタールで3勝挙げてシーズンを締めくくる

 2019年シーズンのスーパーバイク世界選手権(SBK)最終戦カタールで、ジョナサン・レイ(カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK)は3勝を挙げてシーズンを締めくくった。レイはすでに、9月末に行われたフランスラウンドでライダーとしてのチャンピオンを獲得。この最終戦カタールでは、カワサキがコンストラクターズタイトルに輝いた。

 最終戦のレース1、スーパーポール・レース、そしてレース2すべてのレースで優勝を飾ったレイ。この最終戦カタールでは各レースに向けて、「何度もベースのセットアップを変更した」のだという。

 こうした変更が功を奏したようで、レース1とスーパーポール・レースではいつものように序盤から飛び出して独走でトップチェッカーを受けた。レース2では中盤まで2番手のアルバロ・バウティスタ(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)とテール・トゥ・ノーズの展開だったものの、中盤以降にバウティスタが遅れ出してからはトップの座を脅かされることもなく、そのまま優勝を果たした。

最終戦で3勝を挙げたレイ。終わってみれば、完勝の3レースだった
最終戦で3勝を挙げたレイ。終わってみれば、完勝の3レースだった

 最終戦カタールの3勝により、レイは2019年シーズンの全37レースで17勝を挙げ、チャンピオンを争ったランキング2位のアルバロ・バウティスタ(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)に勝利数でも上回った。

「今季17勝を挙げ、そして1ラウンド3勝を2度──イギリスとカタール──達成したことは、特別だ。本当にスペシャルなことだよ。すごく満足している」

「シーズン中盤には、最後の2レースに向けて、チャンピオンシップを争うためにギャップを作っておく必要があると思っていた。けれど、考えていたようにはならなかった」ともレイは言う。

 レイは第12戦アルゼンチンと第13戦カタールをチャンピオンシップの勝負所と見ていたのかもしれない。しかし、レイが言うように、その2ラウンドを迎える前に、チャンピオン争いは決した。第11戦フランスで、レイはチャンピオンを獲得したからだ。

 終わってみれば、レイがカワサキとともに5連覇という偉業を成し遂げたシーズンだった。2019年は、注目された回転数の上限が、カワサキのNinja ZX-10RRが14600rpm、ドゥカティのパニガーレV4 Rが16350rpmとされた。また、これまで2レース制だったレース数に、スーパーポール・レースという10周の超スプリントレースが加わって3レース制にもなった。レイとカワサキの連覇を止めるべく、ドゥカティは2018年までMotoGPに参戦していたアルバロ・バウティスタを起用し、V型4気筒エンジン搭載の新型パニガーレV4 Rを投入する。

 こうして始まったシーズン序盤は、バウティスタが席巻する。バウティスタは第4戦オランダのレース2まで、11連勝を飾ったのだ。オランダラウンドではレース1開催予定の土曜日に雪が降り、このために日曜日にスーパーポール・レースが中止となって、レース1とレース2が行われたため、2レース開催となっている。

 第3戦スペイン(アラゴン)を終えて、ドゥカティの回転数上限が250rpm引き下げられ、パニガーレV4 Rの回転数上限は16100rpmとなる。ちなみに回転数上限は、3戦を終えて変更が発表されて以降は調整が行われていない。

 レイが2019年初勝利を挙げたのは、第5戦イタリア(イモラ)のレース1のことだった。そこから徐々にバウティスタとのポイント差を縮めていくレイ。第8戦イギリスでは、ついにチャンピオンシップのポイントランキングでバウティスタを逆転することに成功した。

 レイの強さは、圧倒的なその安定感にあるとみることができる。シーズンを通して見れば、レイが表彰台を逃したのはわずか3レースだけ。バウティスタに勝てないレースが続いたシーズン序盤も、10レースにわたり2位でゴールし続けていた。レイは4レースを除いて優勝または2位でフィニッシュし続け、さらにシーズン後半は2位以上の成績だけが残っている。一方で、バウティスタはシーズン中盤以降は転倒や、表彰台を逃すレースが多くなっていた。

 レイは今自分が出せるベストの成績、たとえばシーズン序盤に刻み続けた2位が、のちのチャンピオン獲得に導くことをよく知っていたのだろう。レイは最終的に17勝を挙げてタイトルを獲得し、SBK史上初めて5連覇を成し遂げたライダーとなった。

フランスラウンドでチャンピオンを決めたレイ
フランスラウンドでチャンピオンを決めたレイ
レイは2019年のタイトル獲得で、SBK史上初の5連覇の偉業を達成した
レイは2019年のタイトル獲得で、SBK史上初の5連覇の偉業を達成した


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