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MotoGP ニュース

投稿日: 2019.11.11 20:17
更新日: 2019.11.11 20:19

MotoGP:ヤマハ、ヨーロッパ拠点にテストライダー務めたフォルガーと契約終了「再び日本人ライダーのみが行う」

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MotoGP | MotoGP:ヤマハ、ヨーロッパ拠点にテストライダー務めたフォルガーと契約終了「再び日本人ライダーのみが行う」

 MotoGPクラスにエントリーしているヤマハのテストライダーを務めているジョナス・フォルガーは、自身の公式サイトで2020年はテストチームを離れることになったと発表した。また、ヤマハのテストプログラムは再び日本人ライダーのみが行うということをコメントで明かしている。

 2008年からロードレース世界選手権に参戦しているドイツ人ライダーのフォルガー。125ccクラスでグランプリデビューを果たし、Moto3、Moto2クラスを経て、2017年はモンスター・ヤマハ・テック3から最高峰クラスに昇格しヤマハYZR-M1を駆っていた。

 しかし、2017年シーズン途中の第15戦日本GPからジルベール症候群による体調不良でレースを欠場。日本GPからの終盤4戦を欠場することとなった。

 フォルガーは、2018年シーズンも同チームからMotoGPクラスに参戦することが決定しており、1月末のセパンテストからの復帰を目指したが、完治に時間を要すため、後に2018年はスポット参戦をすることもなく全戦欠場する決断を下した。そのため、2018年の大半を療養に費やしていた。

ヤマハYZR-M1を駆るバレンティーノ・ロッシ
ヤマハYZR-M1を駆るバレンティーノ・ロッシ

 一方で、2018年8月頃に、2017年の第8戦オランダGPから1年以上勝利を挙げられていなかったヤマハが、日本に続きヨーロッパでもマシン開発を行うことを決断。ヨーロッパを拠点とするテストチームは、レギュラーライダーのバレンティーノ・ロッシの希望でもあった。

 ヤマハは8月末には、MotoGPマシンのYZR-M1でレースに出場した経験を持つフォルガーをプロジェクトに参加させ、2019年シーズンのヨーロッパテストチームのライダーとして起用した。今季、フォルガーはヤマハのテストライダーを務める傍ら、Petronas Sprinta Racingから5度Moto2クラスでレースに出場。

 来季に向けては、ヤマハでテストライダーを継続する意向を口頭で交わし合意していたため、フォルガーはMoto2クラスやスーパーバイク世界選手権(SBK)にエントリーするチームからのオファーを断っていた。2020年もヤマハのテストライダーの役割を望み、MotoGPクラスでの復帰を目指していたという。

Petronas Sprinta RacingからMoto2クラスに参戦したジョナス・フォルガー
Petronas Sprinta RacingからMoto2クラスに参戦したジョナス・フォルガー

 そのフォルガーは、来季のテストライダーの契約をヤマハから突然断られたという。「この悪いニュースにはとても驚いた。ヤマハは僕と一緒にこのプロジェクトの拡大を望み、口頭では合意していた」とフォルガーは続ける。

「僕たちはすでにテストの計画とその他のミッションがどのようになるかについて話していた。しかし、突然断られた。すぐに契約を受け取れると約束されていたのにね」

「けれど、テストプログラムは再び日本人ライダーのみが行うことが決定した。だから僕は長期間(テストを)止められた」

「テストプロジェクトを徹底的に強化するため、来季のオファーを断っていたからもちろんがっかりしている。テストライダーはとても興味深い挑戦で、同時に非常に満足していた作業だったから残念だ」

「テストライダーに就任し僕はこれまで多くのことを学んだ。しかし現時点でキャリアを続ける方法がわからない。シーズン終盤に多くの選択肢はないんだ」

ジョナス・フォルガー(Petronas Sprinta Racing)
ジョナス・フォルガー(Petronas Sprinta Racing)

 ヤマハは2019年シーズンの第18戦マレーシアGP終了時点で、モンスターエナジー・ヤマハMotoGPから参戦するマーベリック・ビニャーレスが7度の表彰台を含む2勝、ロッシは表彰台を2度獲得。

 サテライトチームのペトロナス・ヤマハSRTは、ファビオ・クアルタラロは6度表彰台に上る活躍を見せ、フランコ・モルビデリがシングルフィニッシュが増えランキングトップ10に4台が入っている状況だ。そして、2020年はサテライトの2台もAスペックのマシンを走らせる予定となった。

 ヤマハから公式に発表はないが、来季は実戦で4台分の走行データを収集し、2018年まで行っていた日本テストチームの体制を戻しマシン開発を行うのだろうか。2012~2018年まで日本GPでワイルドカード参戦していた中須賀克行は、今年日本GPに出場しなかったが日本テストチームが復帰する場合は、来季のマシン開発における重要人物になるだろう。


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