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MotoGP ニュース

投稿日: 2019.11.18 07:00
更新日: 2021.10.20 22:52

MotoE最終戦バレンシアGP:22歳イタリア人ライダーのフェラーリが初代チャンピオンの栄冠に輝く

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MotoGP | MotoE最終戦バレンシアGP:22歳イタリア人ライダーのフェラーリが初代チャンピオンの栄冠に輝く

 リカルド・トルモ・サーキットで、電動バイクレース、FIMエネルMotoEワールドカップの最終戦が行われ、レース1、レース2でともにエリック・グラナド(アビンティア・エスポンソラーマ・レーシング)が優勝。チャンピオンシップではマッテオ・フェラーリ(トレンティーノ・グレシーニMotoE)が、電動バイクレースMotoEの初代チャンピオンに輝いた。

 2019年に新設された電動バイクレース、MotoE。MotoGP第19戦バレンシアGPに併催されたMotoEの最終戦は2レース制で行われた。まず木曜日にフリー走行1回目、金曜日にフリー走行2回目と予選であるEポールが行われ、土曜日にレース1、日曜日にレース2がスケジュールされた。

 この大会には開幕戦ウイナーのニキ・トゥーリ(アジョMotoE)の負傷欠場により、2019年シーズンはスーパースポーツ世界選手権(WSS)に参戦していたルーカス・マヒアスが代役参戦。しかし、マヒアスはフリー走行2回目で転倒を喫し、右手小指を負傷。手術を受けることとなり、欠場となった。

 マヒアスの欠場により、17名で争われたEポールでは、グラナドがポールポジションを獲得。2番手には前戦サンマリノGPで、2レースともに優勝を飾り、チャンピオンシップのポイントリーダーとして最終戦を迎えるフェラーリ、ブラッドリー・スミス(ワン・エナジー・レーシング)が3番グリッドを獲得した。

 なお、Eポールではニコラス・テロル(オープンバンク・アンヘル・ニエト・チーム)がペナルティを受け、予選タイムを抹消された。タイヤの空気圧が、規定よりも低かったというのがその理由だ。これにより、テロルは最後尾よりレースを迎えることになった。

■レース1:最終ラップまで続いた激しい2位争いを制したのは、21歳のスペイン人ライダー

 MotoEの最終戦レース1は、土曜日の現地時間16時15分、陽が傾いた夕方の時刻からスタートした。気温は17度、路面温度は19度で、路面コンディションはドライ。

 全7周の周回数が設定されたMotoE最終戦バレンシアGPで、好スタートを切ったのはポールスタートのグラナドだったが、ホールショットを奪ったのは3番グリッドスタートのスミスだ。しかしスミスをマークし、逃さないグラナド。トップのスミスと2番手のグラナドが1周目から先行し、少し離れて3番手のエクトル・ガルソ(テック3・Eレーシング)が続く。

 そのガルソはレース折り返しの4周目になると、次第に2番手のグラナドに接近。さらにグラナドスミスとの差を詰め、トップ争いは三つどもえの様相を呈し始める。

 残り2周に入るホームストレートで、スリップストリームからの加速を使い、グラナドがスミスをオーバーテイク。さらにガルソもこの機に乗じて1コーナーでスミスを交わす。しかしスミスもガルソの左イン側を位置取り、左コーナーである2コーナーでガルソをパス。しばらくスミスの後方につけていたガルソだが、最終コーナーでスミスのインを突きオーバーテイク。トップがグラナド、2番手にガルソ、3番手スミスの順でラストラップに入った。

 スミスは1コーナーでガルソをオーバーテイクし、2番手を奪還。さらにその先の2コーナーで、ガルソがスミスを再び交わす。2番手争いは最終局面を迎え、“静か”で激しい争いが展開された。

 最終コーナー、スミスがコーナーの入り口でマシンの挙動を乱す。一方、前を行くガルソもラインを外してはらんでしまい、スミスがその空いたスペースへと飛び込んだ。しかし、ガルソがクロスラインでスミスに先行して立ち上がる。

激しい2番手争いを展開するガルソとスミス
激しい2番手争いを展開するガルソとスミス

 すぐ後方で激しい2番手争いが展開されるなか、トップのグラナドはその位置を守り切り、そのまま先頭でチェッカーを受けた。実は開幕前にここリカルド・トルモ・サーキットで行われたシミュレーションレースで、グラナドは優勝を果たしている。開幕後は転倒などもあり、表彰台も獲得できずいるレースが続いたが、初勝利を手にした。

 2位争いを制したのはガルソで、スミスは僅差で3位フィニッシュ。フェラーリは4位でレースを終え、ポイントリーダーの座を守った。

 その後、ガルソのタイヤ空気圧が規定よりも低いことが判明し、ガルソの結果は抹消されている。このため、当初はフェラーリ、ガルソ、スミスがチャンピオン獲得の可能性を残していたが、タイトルを手にできる可能性を持つのはフェラーリとスミスのみとなった。

■MotoE第4戦レース1 決勝順位結果(7周)

Pos. No. Rider Team Motorcycle Time/Gap
1 51 E.グラナド アビンティア・エスポンソラーマ・レーシング エネルジカ 11’49.900
2 4 H.ガルソ テック3・Eレーシング エネルジカ 0.706
3 38 B.スミス ワン・エナジー・レーシング エネルジカ 3.213
4 11 M.フェラーリ トレンティーノ・グレシーニMotoE エネルジカ 6.310
5 10 X.シメオン アビンティア・エスポンソラーマ・レーシング エネルジカ 7.383
6 5 A.デ・アンジェリス オクト・プラマック・レーシング エネルジカ 7.732
7 7 N.カネパ LCR Eチーム エネルジカ 8.888
8 2 J.ラフィン ダイナボルト・インタクトGP エネルジカ 9.634
9 16 J.フック オクト・プラマック・レーシング エネルジカ 10.676
10 27 M.カサデイ オンゲッタ・SIC58・スクアドラ・コルセ エネルジカ 10.923
11 63 M.ディ・メリオ エストレージャ・ガルシア・0,0・マーク・VDS エネルジカ 12.177
12 15 S.ジベルナウ ジョイン・コントラクト・ポンス40 エネルジカ 15.569
13 14 R.ド・プニエ LCR Eチーム エネルジカ 15.783
14 18 N.テロル オープンバンク・アンヘル・ニエト・チーム エネルジカ 15.821
15 6 M.エレーラ オープンバンク・アンヘル・ニエト・チーム エネルジカ 16.165
16 32 L.サバドーリ トレンティーノ・グレシーニMotoE エネルジカ 21.668

■レース2:グラナドが2連勝。フェラーリがMotoEの最初のチャンピオンを獲得


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