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MotoGP ニュース

投稿日: 2019.11.20 17:06
更新日: 2019.11.21 13:21

MotoGPバレンシアテスト:初日はクアルタラロがトップタイム。マルク・マルケスは2020年型ホンダRC213Vを走らせる

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MotoGP | MotoGPバレンシアテスト:初日はクアルタラロがトップタイム。マルク・マルケスは2020年型ホンダRC213Vを走らせる

 11月19日、リカルド・トルモ・サーキットで2020年シーズンに向けたMotoGPクラスの公式テストが、2日間の日程でスタートした。各メーカーが新しいシャシーやエンジン、パーツなどをテストするなか、初日はファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)がトップタイムをマークしている。

 テストではレギュラーライダーに加え、ステファン・ブラドル、ダニ・ペドロサ、ブラッドリー・スミス、ミケーレ・ピロといったテストライダーも走行に加わった。

 現地時間10時から始まったテストだが、10時の時点ではまだ冷え込みが強く、気温が低いためか多くのライダーが11時近くになってから徐々に走行を開始した。前日18日に最高峰クラス昇格とともにレプソル・ホンダ・チーム入りが発表されたMoto2チャンピオン、アレックス・マルケスは、2019年型ホンダRC213Vで走行。しかし最初のコースインから8周目に10コーナーで転倒を喫した。アレックス・マルケス自身はその後、ピットに戻ってテストを継続している。

 アレックス・マルケスとともに2020年シーズン、最高峰クラスに昇格するイケル・レクオーナ(KTMテック3・レーシング)、ブラッド・ビンダー(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)も積極的にKTMのMotoGPマシン、RC16を走らせた。レクオーナも開始から2時間後、4コーナーで転倒している。

 2019年シーズン王者のマルケスは、当初、現行型と思われるホンダRC213Vでコースイン。その後、ピットインを行い、2020年型のマシンに乗り換えた。マルケスはその後、何度かマシンを入れ変えて走行を行った。

2020年型マシンをライドするマルケス
2020年型マシンをライドするマルケス
2019年型からテールカウルの形状に変更が見られる
2019年型からテールカウルの形状に変更が見られる
ファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)
ファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)

 開始から2時間後、アプリリアのテストライダー、ブラッドリー・スミスが転倒。この直後に赤旗が提示され、セッションは一時中断となったが、約5分後に再開している。さらにこの30分後にはホンダのテストライダー、ステファン・ブラドルが10コーナーで転倒した。

 さらに開始から3時間後の13時半前、アウトラップを走行中だったマルク・マルケスが13コーナーで転倒。これにより、一時赤旗が提示されたがその後まもなく解除された。マルク・マルケス自身にダメージはなかったようで、その後ピットに戻った。

 この日は転倒が相次ぎ、開始から5時間40分後には、この時点でトップタイムをマークしていたクアルタラロが10コーナーでスリップダウン。グラベルに向けて滑っていったクアルタラロは、途中で何かに引っ掛かったように激しく転がった。クアルタラはその場にうずくまり、すぐに起き上がることはできなかった。その後、自力で歩いて退避している。この転倒によりセッションは一時中断となったが、間もなく再開された。

 16時を回ると次第に陽が傾き始め、ライダーたちは次第に走行を切り上げる。最後まで精力的に走行を行っていたのはマルク・マルケス、バレンティーノ・ロッシ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)、ブラドルだった。

 バレンシア公式テスト1日目をトップで終えたのは、クアルタラロ。この日走行を行った23名のライダーのなかでも最多の82周を走り込んだ。クアルタラロは主にカーボンスイングアームとフェアリングをテストしたということだ。2番手はマーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)、フランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)が3番手に続き、トップ3をヤマハが占めた。

 2番手タイムをマークしたビニャーレスは9番手でテストを終えたロッシとともに、新しいエンジン、エアダクト、シャシーを備える2020年型プロトタイプをテストした。

新シャシーのマシンを走らせるビニャーレス
新シャシーのマシンを走らせるビニャーレス
ヤマハの2020年型プロトタイプマシン。特にエアダクトの形が小さくなった
ヤマハの2020年型プロトタイプマシン。特にエアダクトの形が小さくなった

 ドゥカティ・チームは4番手につけたアンドレア・ドヴィツィオーゾが新しいシャシーをテストした。一方で、ダニロ・ペトルッチはバレンシアGPの決勝レースで転倒した際に負った左肩の負傷により、10周で走行を切り上げた。ペトルッチも3周、新シャシーのマシンで走行を行ったということだ。

 5番手はマルク・マルケス。こちらも新しいシャシーが投入されている。スズキ勢としては、チーム・スズキ・エクスターのジョアン・ミルとアレックス・リンスがそれぞれ6番手、7番手タイムをマーク。ふたりともに新しいエンジンをテストし、リンスは新しいシャシーやスイングアームも試したという。

 ルーキー勢としては、バレンシアGPで一足早くMotoGPクラスデビューを飾ったレクオーナは13番手。KTMファクトリーチームから参戦するビンダーは21番手、セッション序盤に転倒を喫したアレックス・マルケスは23番手だった。

KTMは新しいシャシーとステアリングダンパーをテストした
KTMは新しいシャシーとステアリングダンパーをテストした

■MotoGPバレンシア公式テスト 1日目タイム結果

Pos. No. Rider Team Motorcycle Time Laps/Total
1 20 F.クアルタラロ ペトロナス・ヤマハSRT ヤマハ 1’30.163 73 / 82
2 12 M.ビニャーレス モンスターエナジー・ヤマハMotoGP ヤマハ 1’30.327 58 / 66
3 21 F.モルビデリ ペトロナス・ヤマハSRT ヤマハ 1’30.650 30 / 71
4 4 A.ドヴィツィオーゾ ドゥカティ・チーム ドゥカティ 1’30.665 48 / 58
5 93 M.マルケス レプソル・ホンダ・チーム ホンダ 1’30.698 33 / 60
6 36 J.ミル チーム・スズキ・エクスター スズキ 1’30.811 61 / 63
7 42 A.リンス チーム・スズキ・エクスター スズキ 1’30.958 57 / 76
8 44 P.エスパルガロ レッドブルKTMファクトリー・レーシング KTM 1’30.974 29 / 58
9 46 V.ロッシ モンスターエナジー・ヤマハMotoGP ヤマハ 1’31.012 57 / 73
10 43 J.ミラー プラマック・レーシング ドゥカティ 1’31.130 20 / 43
11 35 C.クラッチロー LCRホンダ・カストロール ホンダ 1’31.183 63 / 69
12 9 D.ペトルッチ ドゥカティ・チーム ドゥカティ 1’31.433 9/10
13 27 I.レクオーナ レッドブルKTMテック3 KTM 1’31.645 55 / 57
14 29 A.イアンノーネ アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ アプリリア 1’31.674 28 / 54
15 53 T.ラバット レアーレ・アビンティア・レーシング ドゥカティ 1’31.775 50 / 53
16 41 A.エスパルガロ アプリリア・レーシング・チーム・グレシーニ アプリリア 1’31.815 20 / 45
17 26 D.ペドロサ KTMテック3・レーシング KTM 1’31.863 38 / 52
18 51 M.ピロ ドゥカティ・チーム ドゥカティ 1’32.016 23 / 38
19 17 K.アブラハム レアーレ・アビンティア・レーシング ドゥカティ 1’32.034 44 / 47
20 38 B.スミス アプリリアファクトリー・レーシング アプリリア 1’32.090 46 / 50
21 33 B.ビンダー レッドブルKTMファクトリーレーシング KTM 1’32.645 61 / 70
22 6 S.ブラドル レプソル・ホンダ・チーム ホンダ 1’32.833 25 / 25
23 73 A.マルケス LCRホンダ ホンダ 1’32.873 52 / 53
82 M.カリオ レッドブルKTMファクトリー・レーシング KTM

※リザルトの表記は公式に準ずる。


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