autosport webでは2019年も最高峰のMotoGPをはじめ、SBK、全日本ロードレース、EWCなどの二輪ロードレースのニュースをお届けしてきた。今回はそのなかで後世に語り継がれるであろうレースを編集部が5つピックアップして、お届けする。
■全日本ロードレース選手権 第8戦鈴鹿 レース1
2019年の全日本ロードは中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)と高橋巧(Team HRC)が最終戦までチャンピオンを争った。
第7戦オートポリス終了時点のランキングは高橋が222ポイント、中須賀が211ポイントと11ポイント優勢。また、ふたりは第2戦と鈴鹿8耐でも鈴鹿サーキットを走行しており、第2戦は高橋が2連勝、中須賀はレース1で転倒リタイア、レース2で2位と一歩及ばなかった。
さらに高橋は第2戦の予選で2分03秒874のコースレコードを記録しており、最終戦の予選では2分3秒592を叩き出し、自身の記録を塗り替え絶好調で最終戦鈴鹿のレース1に挑んだ。
レース1ではポールスタートの高橋は、野左根航汰(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)にホールショットを奪われ2番手で1コーナーに進入。2コーナーでインから野左根を抜き返そうとするが接触し挙動を乱してコースアウト。これで高橋巧は15番手付近まで後退してしまう。
高橋は巻き返しを図り上位にポジションを戻そうとするが、デグナーカーブで転倒。高橋はマシンを起こして再スタートを切ったが追い上げは叶わず16位でフィニッシュ。このレース1では中須賀が優勝し239ポイント、高橋は230ポイントとなり逆転を許してしまう。
レース2は勢いを取り戻し高橋は優勝するが中須賀が2位に食らいついたため再逆転は叶わず。中須賀が2019年のチャンピオンに輝いた。
■ロードレース世界選手権 Moto3 開幕戦カタールGP
2019年のロードレース世界選手権に参戦した日本人ライダーのなかで歴史に残る戦いぶりをしたのが鳥羽海渡(Honda Team Asia)だ。鳥羽は第1戦カタールGPでMoto3クラスで日本人初優勝を飾った。
3番手からレースをスタートした鳥羽は序盤にポジションを少し落とすも、中盤にはこのトップ争いに絡む位置まで追い上げる。
その後首位を走行するシーンも見られるが、Moto3の250ccのマシンはスリップストリームが大きく影響することから何度も順位が入れ替わっていく。
レース終盤はトップや2番手につけライバルたちの様子をうかがっていた。そしてラストラップの最終コーナーで2番手につけていた鳥羽はロレンツォ・ダラ・ポルタ(Leopard Racing)の真後ろにつけるとスリップストリームを使いオーバーテイク。0.053秒差で優勝を掴んでみせた。
軽量級のクラスで日本人ライダーが優勝したのは、2007年第7戦カタルーニャGPの125ccクラスで小山知良が勝利して以来、約12年ぶり。レース数にして203戦ぶりのこと。またMoto3クラスでは初の快挙だった。