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MotoGP ニュース

投稿日: 2020.02.28 11:20
更新日: 2020.07.13 10:57

MotoGP:ロッシ&マルケス抑え2勝挙げたリンス。強敵ふたりとの戦い方の違いは?/開幕直前インタビュー

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MotoGP | MotoGP:ロッシ&マルケス抑え2勝挙げたリンス。強敵ふたりとの戦い方の違いは?/開幕直前インタビュー

 スズキは、セパン・インターナショナル・サーキットで行われたMotoGP公式テスト後に、都内でGPライダーメディア取材を開いた。そこでチーム・スズキ・エクスターのアレックス・リンスとジョアン・ミル、ふたりのスペイン人ライダーにインタビューし、昨年の振り返りと2020年シーズンの展望を聞いた。

 今回は、チーム・スズキ・エクスターのエースライダーであるリンスだ。最高峰クラス3年目の2019年シーズンは、トップ10フィニッシュ常連となり、表彰台を3回獲得し、2勝を飾ってランキング4位を獲得した。

 そんな劇的な飛躍を見せた2019年のリンスを語るうえで忘れてはいけないのは、第3戦アメリカズGPと第12戦イギリスGPの2度の優勝だろう。どちらのレースが印象に残っているか聞くと「両方だね」と答えた。

アレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)
アレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)

「アメリカズはバレンティーノ・ロッシを制してキャリア初優勝だったから当然嬉しかったし、シルバーストンは強敵のマルク・マルケスと最後まで争って勝てたことが大きな印象に残っているよ」

 リンスが語る通りアメリカズGPではロッシ、イギリスGPではマルケスという強敵ふたりに打ち勝ち2勝を挙げたのだ。トップライダーとバトルをしたリンスは、ふたりのレース戦略の違いを話す。

2019MotoGP第3戦アメリカズGPではリンスとロッシがバトル
2019MotoGP第3戦アメリカズGPではリンスとロッシがバトル

「このふたつのレースはかなり戦い方も違っていた。ロッシは経験が長い分すごくライダーのことを研究しているから、彼をだましながら走るのは難しかった。最後の4ラップで彼をオーバーテイクしたけど、それまでは遊ばれている感じになっていて、駆け引きが難しかったんだ」

「マルケスの時は、(ロッシのバトルと)同じような戦略を採らなかった。1、2コーナーではマルケスが速くて最終コーナーは僕が速かったから、どこで仕掛けるかというのはレース後半を通してずっと考えていた」

「最後(最終ラップの最終コーナー)にイン側に入ってあのような勝ち方をしたのは、ここで仕掛けると決めていたからだ。自分のアドバンテージを活かして絶対勝つという気持ちで挑んだし、マルクとバレンティーノというライダーの性質がまったく違うことで自分の戦い方も変えたよ」

2019MotoGP第12戦イギリスGPではリンスとマルケスがバトル
2019MotoGP第12戦イギリスGPではリンスとマルケスがバトル

 また、2019年シーズンを10段階で評価すると「7点だね」と答えたが、その理由について「2勝して表彰台に1度上ったけど、もっと表彰台を獲るべき年だったから7点だ」と述べた。

■目指すは全戦表彰台

 次に、セパンテストで試した2020年型GSX-RRについて聞くと「(セパンでは)いろんなことをテストしたよ。シャシー、サスペンション、エンジン、制御系などすべてをテストして、すべてが基本的にはポジティブだった」という。

「一番大事なのは、安定していいぺースで走れていてリズムをつかめていたこと。ラップタイムものびているし、基本的には良かったけど、その分周りも速くなっているから気を抜けない状況だね」

「バイク自体は昨年からすごく大きく変わったわけではないけど、各パーツが少しずつ良くなっている。特に良くなっているのはエアロダイナミクスで、シャシーやエンジンや制御系は少しずつ良くなっているから、トータルしてうまく動いている」

「これが初テストだったから、セパンで確かめたことが本当にこの方向性でいいのか、サーキットが変わったら状況が変わるのかをカタールテストでもう一回確認して、はじめてこれで良かったと答えが出せる」

アレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)/セパンテスト
アレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)/セパンテスト

 ミシュランが今シーズン用意した新しいリヤタイヤは「基本的に大きく変わったのはケーシングの部分で、それによって基本のパフォーマンスがすごく上がった」と語った。予選用ソフトタイヤもテストし「どのライダーも平均的に大きくタイムを上げるのに役に立ったよ」という。

 そんなリンスは、2020年は「できれば全戦表彰台に立ちたいと思っている」と意気込んだ。

「そのためにもちろん頑張るけど、今はかなりMotoGPのレベルが高くなっている。昨年でさえ高かったのが、今年はテストした段階でもさらにコンペティティブになっていると感じているから、すごく厳しい戦いになると思う。でも基本的にはコンスタントに全戦表彰台を目指すよ」

「ライバルはひとりではなくて、どのライダーも勝てる素質を持っているし、本当にすべてのライダーのレベルが拮抗しているね」

「ひとりひとりに打ち勝っていかないといけないし、チャンピオンを獲るとかいう具体的な目標ではないけど、とにかく表彰台に乗り続ける。毎回のレースを一番いい状態で終えることを目標にしているよ」

2020年MotoGPを戦うジョアン・ミル、アレックス・リンス
2020年MotoGPを戦うジョアン・ミル、アレックス・リンス

 2019年は初優勝を経験し、最終的に2勝を挙げたリンス。ロッシとマルケスに勝った彼が、2020年に目指すのは当然優勝だ。3月6~8日にカタールのロサイル・インターナショナル・サーキットで開催される開幕戦から勝利を挙げられるだろうか。


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