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MotoGP ニュース

投稿日: 2020.04.22 11:56

MotoGPの軌跡(1):環境性能へ配慮し2ストロークから4ストロークマシンへの移行した2002年

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MotoGP | MotoGPの軌跡(1):環境性能へ配慮し2ストロークから4ストロークマシンへの移行した2002年

 2001年までの世界GP(WGP/World Grand Prix)の略称で行われていたロードレース世界選手権。2002年から最高峰のバイクが4ストローク990ccとなり、シリーズの名称もMotoGPへと変更された。しかし、MotoGP初年度は2ストローク500ccマシンと4ストローク990ccマシンが混走する状況でのスタートとなった。2002年から2019年までのMotoGPの軌跡を連載形式で振り返っていく。
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 2000年より世界GP(WGP)のオフィシャルリザルトにはMotoGPというロゴが入るようになった。実際に最高峰クラスがMotoGPと呼ばれるのは2002年からだが、その前からMotoGPシリーズ全体の準備が進められていたのだ。

 MotoGPと呼ばれるようになって変わったことは、いくつかある。まず、一番大きく変わったのは、マシンのエンジンが4ストローク化されたことだろう。MotoGP初年度の2002年こそ、それまでの2ストローク500ccマシンに4ストローク990ccマシンの混走を認めるという表現がなされていたが、元々GP500クラスに4ストロークマシンの参戦は可能だった。

 ただし、GP500というクラス名どおり、2ストロークでも4ストロークでも排気量の上限が500ccだった。1970年代後半から1980年代前半に、ホンダはNR500という4ストローク500ccエンジンのレーシングマシンでGP500クラスに挑戦した。NR500は2スト500ccマシンに対抗するために2ストロークの倍近く回る超高回転型エンジンを搭載していた。

 逆に言えば、2ストローク500㏄マシンと対等に走る4ストロークマシンにするには、2倍近い排気量を与えなければならなかった。最初の4ストロークMotoGPマシンの排気量上限が990ccに設定されていたのは、これが理由だろう。当初は最低重量やガソリンタンク容量などで2ストロークと4ストロークのバランスを取ろうとしていたが、エンジンのレブリミットに関しては制限がなかった。4ストロークのほうが排気量が大きく、トルクも大きい、その上にレブリミットも高いのであれば2ストロークの500が苦戦を強いられるのは無理もなかった。そして明確に4ストローク化を推進したいという意思が背後にはあったのだろう。

 4ストローク化を推進した理由は、いくつかある。まずひとつは環境性能への配慮だ。2ストロークマシンは白煙を上げて走る。これは対外的にあまりイメージがよくない。

 そして、すでにバイクメーカーのラインナップから2ストロークエンジン搭載車が次々と消えていた。バイクメーカーにとって、レース参戦には技術開発と販売促進という側面があるので、販売していないエンジン型式のマシンでレースをする意味はあまりないのだ。

 そして、4ストロークならばこれまで2ストロークが主流だった世界GPに興味を示すメーカーが増えるのでは、という読みがあった。実際に4ストローク化によって、参戦メーカー数は増えたことは間違いない。

■2001年から着々と準備を進めた各メーカーたち


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