ロードレース世界選手権MotoGPに参戦するチーム・スズキ・エクスターは4月19日、アレックス・リンスとの間で2021年と2022年シーズンに起用することに関して合意し、契約を更新したことを発表した。
リンスは2017年にチーム・スズキ・エクスターからMotoGPクラスデビューを果たした24歳のスペイン人ライダーだ。ルーキーイヤーはランキング16位で終えたものの、2018年は第2戦アルゼンチンGPで初表彰台を獲得。そしてシーズン中盤から調子を上げて、表彰台に5度上りランキング5位を獲得した。
2019年はトップ10フィニッシュ常連となり、表彰台を3回獲得。そのうち第3戦アメリカズGPではバレンティーノ・ロッシ、第12戦イギリスGPではマルク・マルケスに打ち勝って2勝を飾りランキング4位を獲得した。
そんなスズキのエースライダーであるリンスが、19日にチーム・スズキ・エクスターのInstagramで行われたライブ配信の中で、スズキと2021～2022年まで2年間契約を延長したことを発表した。そのためリンスはスズキで6年間MotoGPクラスを過ごすことになる。
今回のリンスの契約更改は、2019年末時点でアビンティア・レーシングと2021年まで契約をしているティト・ラバットを除く21名のライダーでは、ヤマハファクトリーのマーベリック・ビニャーレスとファビオ・クアルタラロ、レプソル・ホンダ・チームのマルク・マルケスに続くものとなる。
「僕の願いはスズキから継続参戦することだった。今回それがようやく叶った。スズキのプロジェクトは勝つことができるポテンシャルがあり、僕の勝利への意欲と完璧に一致する。僕にとって完ぺきな場所なんだ」とリンスはコメントした。
「僕たちはすばらしいリザルトの獲得に向けて懸命に働いている。常にチームを信じていたことから、最初から基本合意に至ることはたやすかった。その後に詳細を詰めるために時間をかけ、全ての調整に取り組んだ。2020年シーズンに起きていることを理解しなければいけない」
「僕たちはプレシーズンで証明したように最高のレベルでレースに挑む準備ができている。今は世界中のほとんどの国に影響を及ぼしている予期しない状況に直面し、僕たちは辛抱強くなり、状況の進化を確認しなければいけない。いつでもレースが始められるように準備をしている」
「ドルナは一番大切なことである人々の安全と健康を考慮しながら、レースを開催するためにすべての可能性に取り組んでいる。僕たちは準備をするだけ。スタートの始まりを待つだけ。その間はトレーニングに集中する」
プロジェクトリーダーを務める佐原伸一氏は「アレックス・リンスとの2年の契約更新は、若いライダーを育成させ、チームとライダーが一緒に成長するという我々のプロジェクトの基本的な要素を代表することから、スズキと私にとって非常に誇りに思います」と語った。
「この契約の延長により、合計6年間、アレックスのような若くて、才能があり、決定力のある速いライダーを確保しました。これは2017年に初めて彼との契約を交わしたときに求めていたことです。彼は大きく成長し、彼とともにクルーとチーム全体も成長しました。私たちは表彰台と勝利を達成しました。そして最高なことはこれから来ると思います」
「残念ながら、現在の状況では全ての進歩と可能だと思われる結果をレースで証明することができませんが、この新型コロナウイルスによる状況は誰にとっても新たなことであり、適応する必要があります。我々は明るくあり続け、この合意が楽観的かつ積極的な将来について考えることができます」
チームマネージャーのダビデ・ブリビオ氏は「アレックス・リンスをさらに2年間、2021年と2022年にスズキのファクトリーライダーとして起用することが決まり大変嬉しく思う」と話す。
「この合意により、我々の関係は6年間となり、この安定性は我々全員にとってポジティブになると信じている。この合意は彼のサイン待ちだったと言わなければならない。スズキとアレックスはお互いに参戦を継続する意志があり、数カ月前には基本的な合意に至っていた。そして、すべてが完了したので、ようやく誇りを持って契約更新を発表することができる」
「チームとして、我々の目標は結束された作業グループを維持し、さらに強力にすることだ。昨シーズン終盤はファンタスティックだった。再びレースを始めるときにはそこを出発点にしたい」
