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MotoGP ニュース

投稿日: 2020.05.15 13:23

MotoGPの軌跡(5):2007年は排気量が800ccに変更。新鋭ケーシー・ストーナーが初タイトル

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MotoGP | MotoGPの軌跡(5):2007年は排気量が800ccに変更。新鋭ケーシー・ストーナーが初タイトル

 2001年までの世界GP(WGP/World Grand Prix)の略称で行われていたロードレース世界選手権。2002年から最高峰のバイクが4ストローク990ccとなり、シリーズの名称もMotoGPへと変更された。しかし、MotoGP初年度は2ストローク500ccマシンと4ストローク990ccマシンが混走する状況でのスタートとなった。2002年から2019年までの『MotoGPの軌跡』を連載形式で振り返っていく。

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 2007年はマシンの排気量が800ccに変更された。これによりトップスピードは下がったものの、コーナリングスピードは上がり、マシン造りの方向性は990cc時代から変化を見せた。また、ガソリンタンク容量が21リットルに減少するなど、燃費の面でも厳しい戦いを強いられることになった。

2007年MotoGP:ケーシー・ストーナー
2007年MotoGP:ケーシー・ストーナー

 MotoGPクラス2年目のケーシー・ストーナーはドゥカティに移籍、この年の開幕戦カタールでポール・トゥ・ウインを飾った。ストーナーはその後、勝ち星を重ねて行き、シーズン11勝を上げてチャンピオンを獲得している。ドゥカティにとっても、ブリヂストンタイヤにとってもMotoGP初タイトルとなった。

2007年MotoGP:ニッキー・ヘイデン、ダニ・ペドロサ(ホンダ)
2007年MotoGP:ニッキー・ヘイデン、ダニ・ペドロサ(ホンダ)

 ランキング2位にはダニ・ペドロサ(ホンダ)が続いた。ペドロサはシーズン2勝を記録して、バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)をわずか1ポイント差で抑えた。ロッシは4勝を上げたものの、ランキング3位に終わり、2年連続でタイトルを逃す結果となった。800cc初年度のヤマハYZR-M1はトップスピードの面でハンディを抱えるなど、苦しいシーズンとなった。

 ランキング4位にはジョン・ホプキンス(スズキ)が続いた。スズキは800㏄化を前に、990cc最終年に(圧縮した空気の力でバルブを閉じる)ニューマチックバルブを投入するなど、800cc化を見据えたマシン作りを行なっていた。チームメイトのクリス・バーミューレンはランキングは6位だったものの、第5戦フランスGPでスズキのMotoGP初勝利を記録。2007年年シーズンはランキング上位4位までを4メーカーが分け合うなど、新しいレギュレーションにより、マシンパフォーマンスの勢力図は接近した。

 一方、ディフェンディングチャンピオンのヘイデンは800ccのホンダ・ニューマシン、RC212Vに苦戦し、ランキング8位に終わった。

 カワサキからホンダのサテライト、コニカミノルタ・ホンダに移籍した中野真矢はランキング17位、ダンロップ・ヤマハ・テック3に移籍した玉田誠はランキング18位となった。

 ブリヂストンの初タイトル獲得により、タイヤの競争も激しくなった。これまで最高峰クラスに君臨し続けてきたミシュランの足元がゆらぎ始めて来た、2007年はそんなシーズンだった。

■2008年シーズンはブリヂストンタイヤが優位に


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