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MotoGP ニュース

投稿日: 2020.06.22 12:38

ホンダ、最初の黄金時代(後編):1966年に全5クラスのコンストラクターズタイトルを獲得する偉業

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MotoGP | ホンダ、最初の黄金時代(後編):1966年に全5クラスのコンストラクターズタイトルを獲得する偉業

 1959年のマン島TTレースにエントリーしたホンダ。初参戦ながら好成績を上げ見事な団体優勝を果たした。1960には外国人ライダーを擁し、1961年にはグランプリ初優勝、その後も快進撃を続け多くのタイトルを獲得した。イギリス人ライターのマット・オクスリーがホンダの最初の黄金時代について語る。

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 1962年、ホンダは新たに開催されたロードレース世界選手権50ccクラスに出場し、125cc、250cc、350ccの参戦クラスに50ccを加えた。ホンダは開幕戦スペインGPで初めての50ccに苦戦したが、ホンダのエンジニアたちが非常に驚くべきやり方で解決に乗り出した。

 ホンダのライダーはエンジニアに、このバイクには元々の6速よりさらに多くのギヤが必要だと伝えた。そして数週間後、フランスGPのためにクレルモン=フェランに到着したライダーたちは、8速のギヤボックスがついた新しいエンジンを目の当たりにしたのだ。さらにその2週間後のマン島TTでは、バイクには9速のギヤボックスが付いていた。

 このような開発ペースはヨーロッパでは前代未聞のことだった。そしてこれは日本から機器を輸送するという課題を経て実現された。それは必然的に厳しい飛行ルートとなった。東京の羽田空港からヨーロッパへ飛ぶのだが、香港、バンコク、カルカッタ、カラチ、ベイルートを経由するのだ。

 1962年末、ホンダは50cc単気筒のマシン『RC111』を、2気筒50cc『RC112』に一新。1965年には2気筒50ccを高回転・高出力化した『RC115』を投入しライダーズおよびコンストラクターズタイトルを獲得している。ホンダにとって50ccクラス最終年となった1966年は『RC116』がコンストラクターズタイトルを獲得。35.5×25.14mmのボアとストロークを備え、22,500回転のエンジンは14馬力を生み出した。これは具体的にはリッターあたり280馬力のパワー出力だ!

1965年世界選手権50ccクラス 日本GP
1965年世界選手権50ccクラス 日本GP

 だが50ccクラスのホンダマシンはミニチュアレベルの驚異で、より大型の6気筒250ccや5気筒125ccほど注目を集めることはなかった。

1967年ロードレース世界選手権250ccクラス:マイク・ヘイルウッド(ホンダRC166)
1967年ロードレース世界選手権250ccクラス:マイク・ヘイルウッド(ホンダRC166)

 1966年に登場したホンダの6気筒の250ccマシン『RC166』は、今でも史上もっともエキサイティングなグランプリマシンの1台として崇拝されている。6気筒のエンジンサウンドは、1960年代のレースファンにとっての音楽だった。

 RC166は多くの点で並外れていた。24バルブ、39×34.8mmのエンジンは、4気筒エンジンの先代マシンよりわずかに幅広くなっただけで、回転数は18,000回を超え、60馬力を生み出し、時速240km/150マイル以上のトップスピードを出した。

 クランクシャフトはほぼ35cmの長さがあったが、一体型のコンロッドと小型のフライホイールと組み合わされ、ほとんどのマスは中心に集中しており、クランクの振動の長さを効率的にすることができた。

 また250ccの6気筒エンジンを基に開発されたは350ccクラスのマシン『RC174』は1967年にライダーズおよびコンストラクターズタイトルを獲得している。

■ホンダ、1965年までにロードレース世界選手権の4クラスを制覇


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