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MotoGP ニュース

投稿日: 2020.06.30 15:13
更新日: 2020.07.11 11:07

MotoGPの軌跡(9):ロッシがタイトルを逃す原因となった2015年のセパンクラッシュ

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MotoGP | MotoGPの軌跡(9):ロッシがタイトルを逃す原因となった2015年のセパンクラッシュ

 2001年までの世界GP(WGP/World Grand Prix)の略称で行われていたロードレース世界選手権。2002年から最高峰のバイクが4ストローク990ccとなり、シリーズの名称もMotoGPへと変更された。しかし、MotoGP初年度は2ストローク500ccマシンと4ストローク990ccマシンが混走する状況でのスタートとなった。2002年から2019年までの『MotoGPの軌跡』を連載形式で振り返っていく。

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 2015年シーズンはホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)が逆転でタイトルを獲得。シーズン最多の7勝、12回の表彰台、通算3回目のタイトルを獲得したが、シーズンの大半をリードしたのはチームメイトのバレンティーノ・ロッシだった。

 シーズン序盤にロレンソ、ホンダのマルク・マルケスとダニ・ペドロサの3人が出遅れた一方、ロッシはそのチャンスを生かして、18戦中17戦でポイントリーダーの座をキープ。しかし、最後の最後で逆転されてタイトルを失った。

MotoGP 2015年第17戦マレーシアGP
MotoGP 2015年第17戦マレーシアGP

 その原因が終盤のマレーシアで起こったセパンクラッシュと呼ばれるマルケスとの接触だ。きっかけは1戦前のレースのオーストラリアでのマルケスのレース展開に対して、マレーシア入りした直後にロッシが、マルケスがロレンソをサポートしたと非難したこと。

 マルケスはこれを否定したが、決勝では序盤からロッシとマルケスがサイドバイサイドの接戦を展開。その結果、両者は接触し、マルケスは転倒。マルケスはロッシに蹴られたと主張、ロッシはこれを否定。そして、レースディレクションでの審議の結果、ロッシにペナルティが下され、ロレンソとの最終戦決着のレースを最後尾からスタートすることになり、追い上げたものの、タイトルにあと一歩届かなかった。

 連覇を逃し、ランキング3位に終わったマルケスは、シーズン5勝、通算表彰台9回、ポールポジション8回、決勝ファステストラップ7回。6戦のノーポイントによりタイトル争いから脱落したが、速さではナンバーワンであることは記録の上でも証明している。

 ペドロサは開幕戦カタールGPで左腕の腕上がりを訴え、序盤の3戦を欠場して手術を行なった。シーズン終盤の日本GPでは初優勝を達成、マレーシアGPでは、スタートから独走してシーズン2勝を記録し、ランキング4位を獲得した。

 そして、2015年にその4強にあと一歩と迫ったのがアンドレア・イアンノーネ(ドゥカティ)だ。第6戦イタリアGPではMotoGPクラス初ポール獲得、勝利こそできなかったものの、3回の表彰台を獲得。ドゥカティはレギュレーション上の優遇措置を生かしてマシン開発を進めてきたが、まだ勝てるレベルまでには至っていなかった。一方、2015年から復帰したスズキは、第7戦カタルニアGPで アレイシ・エスパルガロとマーベリック・ビニャーレスが予選ワンツーを獲得するなど、復帰初年度で手ごたえを残した。

 2015年でブリヂストンがオフィシャルタイヤサプライヤーの使命を終了。2016年は新たな時代の幕開けとなる。

■2016年からミシュランがタイヤ供給を開始


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