7月13日、株式会社ホンダ・レーシング（HRC）は2020年にホンダのワークスチームであるレプソル・ホンダ・チームに加入したアレックス・マルケスが今シーズン限りで同チームを離脱し、2021年から2年間サテライトチームのLCRホンダ・チームから参戦することを発表した。
MotoGP王者マルク・マルケスの弟であるアレックス・マルケスは、2012年に3度のワイルドカード参戦でMoto3クラスデビューを果たすと、シーズン後半にシートを獲得し11戦に出場した。
2013年からはエストレージャ・ガリシア 0,0よりKTMのマシンでMoto3クラスにレギュラー参戦を開始。フル参戦初年度に通算5回の表彰台に立ち、ランキング4位を獲得してルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝く。2014年はマシンをホンダNSF250RWに乗り換え、初の世界チャンピオンを獲得した。
2015年からはEG 0，0 Marc VDSからMoto2クラスにステップアップ。Moto2クラス1年目はランキング14位、2年目はランキング13位と苦戦するが、3年目の2017年と2018年に4位と成績を上げる。そして、オフィシャルエンジンサプライヤーがトライアンフに変更された2019年シーズンに通算5勝を挙げ、通算2度目のタイトルを奪取した。
2019年は兄のマルク・マルケスもMotoGPクラスのチャンピオンを獲得しており、2014年に続いて、2回目の同一シーズンでの兄弟ライダーによるチャンピオン獲得となった。
そんなアレックス・マルケスは3度のMotoGP王者のホルヘ・ロレンソの後任として2020年は名門のレプソル・ホンダ・チームからMotoGPクラスに昇格した。しかし、新型コロナウイルスの影響により開催が延期され、MotoGPクラスのレースが1戦も行われていないなか、レプソル・ホンダ・チームを去ることが今回発表された。
アレックス・マルケスは2021年から2年契約の合意に至り、来季はLCRホンダ・チームでMotoGPクラスに参戦する。LCRホンダ・チームへの移籍は、ワークスチームでの経験を活かすとともに、HRCの長期戦略の一環として行われるものだとHRCは説明している。
また、2021年にアレックス・マルケスのチームメイトとなるLCRホンダ・チームのもう1席は、中上貴晶かカル・クラッチローが収まるのかに注目が集まる。
「HRCとの契約の更新について発表できたことを誇りに思う。ホンダは、最高峰クラスで闘うチャンスを与えてくれた。今年末から、LCRホンダ・チームというMotoGPでの経験が豊富でメジャーなチームの一員として戦えることをうれしく思う」とアレックス・マルケス。
「HRCおよびLCRホンダ・チームの信頼を受け、今後もホンダファミリーの一員でい続けられることに感謝していて、結果で期待に応えるよう頑張るよ。今は、ヘレスでのシーズン開幕戦が待ちきれず、まずは今年ベストを尽くすことに注力する」
HRCの代表取締役社長、野村欣滋氏は「アレックス・マルケス選手と一緒に、来年から2シーズンにわたり、MotoGPカテゴリーでの成長プロセスを続けられることを大変うれしく思っています。現在の状況を深く考え、分析した結果、彼はHRCのフルサポートを受けLCRホンダ・チームから参戦することが、最高峰クラスで成長する絶好のチャンスだと思っています」とアレックス・マルケスの移籍について説明する。
「また、今年より3年間このプランを続けることによって、HRCにとっても、アレックス・マルケス選手にとっても、思い通りの結果が得られると確信しています」
