MotoGP第3戦アンダルシアGPの決勝レースがスペインのヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトで行われ、ファビオ・クアルタラロ（ペトロナス・ヤマハSRT）が優勝した。中上貴晶（LCRホンダ・イデミツ）は自身ベストリザルトとなる、4位フィニッシュを果たしている。
気温37度、路面温度60度のドライコンディション。前日の予選日には右上腕を骨折、火曜に手術したマルク・マルケス（レプソル・ホンダ・チーム）が走行したものの、予選終了後、今大会の欠場を決断している。
注目されたタイヤ選択は、確認できる範囲では大多数のライダーがフロントにハード、リヤにソフトを選択。アレックス・リンス（チーム・スズキ・エクスター）はフロント、リヤともにソフトを履いた。
絶好の好スタートを切ったのはポールスタートのクアルタラロ。そこにビニャーレス、やや離れてバレンティーノ・ロッシ（モンスターエナジー・ヤマハMotoGP）、ジャック・ミラー（プラマック・レーシング）、フランセスコ・バニャイア（プラマック・レーシング）、そして中上貴晶（LCRホンダ・イデミツ）が続く。
クアルタラロはオープニングラップの最終コーナーでビニャーレスに仕掛けられるも、トップを堅守。ビニャーレスはこのときブレーキングでややワイドになり、後退することになった。
中上は3周目に、バニャイアと5位争いを展開。一方、トップのクアルタラロはじりじりと2番手以下を引き離していく。2番手にはロッシ、3番手にはビニャーレス。ミラー、そしてバニャイア、中上、モルビデリなどが続く状況だ。
9周目、ビニャーレスがブレーキングでミス。この隙を逃さず、バニャイアがビニャーレスをオーバーテイク。さらにその翌周には、1コーナーのブレーキングでミラーがビニャーレスをとらえた。
11周目、ミラーとフランコ・モルビデリ（ペトロナス・ヤマハSRT）がビニャーレスをオーバーテイク。ビニャーレスは5番手に後退した。その直後、ミラーが9コーナーでクラッシュ。リタイアしている。
続く12周目、2番手につけていたバレンティーノ・ロッシ（モンスターエナジー・ヤマハMotoGP）をバニャイアが交わす。バニャイアが2番手に浮上、ロッシは3番手に後退した。2番手をそうこうしていたバニャイアのマシンから白煙が上がる。バニャイアはそのままスロー走行。リタイアを余儀なくされた。その前、残り9周にはモルビデリがスロー走行によりリタイアとなっている。ヤマハとしては、ロッシが前戦スペインGP、マシントラブルによりリタイアしていた。
残り5周、この時点でトップを走るクアルタラロはすでに、独走状態を築いている。そんなクアルタラロに対し、ロッシとビニャーレスは僅差を守ったまま2番手争いを展開。そして、その約1.2秒後方には、中上が彼らの背中を追っていた。
残り2周、ロッシがコーナーでややワイドにはらんだすきを逃さず、ビニャーレスがロッシを交わす。ビニャーレスが2番手、ロッシ3番手で最終ラップに入った。ロッシはビニャーレスを追うが、ポジションを取り戻すには至らない。
クアルタラロはそのまま、独走を守って2連勝。ポール・トゥ・ウインを達成した。ビニャーレスは2戦連続の2位。ロッシは3位フィニッシュを達成し、ヤマハライダーが表彰台を独占した。
中上は見事、4位フィニッシュ。苦戦を強いられた前戦スペインGPから一転、リズムに乗ったアンダルシアGPのレースウイークを経て、MotoGPクラスにおける自己ベストリザルトを獲得した。もちろんこの結果は、ホンダ勢としても最上位のものである。
5位にはチーム・スズキ・エクスターのジョアン・ミル、6位にはドゥカティ勢最上位となるアンドレア・ドヴィツィオーゾ（ドゥカティ・チーム）がつけた。
