更新日: 2020.08.10 10:27
KTMに初優勝をもたらしたビンダー「残り10周はリヤタイヤが厳しかった」/MotoGP第4戦決勝トップ3コメント
MotoGP第4戦チェコGPの決勝レース後、ブルノ・サーキットで会見が行われ、表彰台を獲得したブラッド・ビンダー(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)とフランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)、ヨハン・ザルコ(エスポンソラーマ・レーシング)がレースを振り返った。会見ではザルコがビンダーを祝うために即興の歌を披露し、沸かせる一幕もあった。
■ブラッド・ビンダー(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)/決勝:優勝
「信じられない。ずっと夢見ていたことがついに実現したんだ。時間がかかるとは思っていたけれど、ずっと支えてくれた家族、そして今日、すばらしいバイクにしてくれたチーム、僕を助けてくれたすべての人に感謝を伝えたい。今ここにいることを考えると本当に信じられないよ」
「レース序盤は、ファビオ(・クアルタラロ)をフォローしていたんだ。ファビオが苦戦し始めたのを見て、彼を交わし、フランコ(・モルビデリ)を追いかけようと決めた。ある時点で、フランコはリヤタイヤに苦しみ始めた。僕のほうは、まだグリップは低下していなかった。フランコの後ろについて、攻めてみようと考えた」
「最後の10周は僕の人生のなかでも、とてもクレイジーだったよ。できるだけ穏やかにソフトに、すべての動作を行った。リヤタイヤはもうかなり厳しかったからね。(後方との)ギャップを確認したけれど、残り3周はとてもタイヤグリップが低下していると感じた。なんとか最後の3周をまとめようとしたよ」
■フランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)/決勝:2位
「すごく、すごくこの表彰台がうれしい。それから、おめでとう、ブラッド。特にレース後半で、彼はとても強かった。僕は、序盤にリズムをつくり、タイヤをマネジメントしようと全力を尽くしたよ。けれど10周か11周が過ぎたあたりで、タイヤに苦戦し始めた。最後の5周ではまたさらにグリップ低下があり、マシンを無事にフィニッシュさせることに集中した。初めての表彰台を獲得するためにね」
「2019年は僕にとって、難しいシーズンだった。もちろんいいシーズンでもあったけれど……、結果よりもさらに強さがあると感じていた。ファビオはとても速く、とても強かったよね。それで、シーズンの最後に自分に言い聞かせたんだ。このままでいたくない、この状況を繰り返したくないってね」
「だから、家でもっと真剣に取り組んだ。さらにプロフェッショナルでいようとしたんだ。テストでのリザルトを確認したら、昨年よりも速くなっていた。ヘレスでは、もっといいポジションからスタートしていれば、スペインGPでもアンダルシアGPでも、もっといい結果になっていたと思うんだ。そしてここでは、最初からもう少し速さがあったし、週末を通して速かった。そう、僕は前に進んだのだと思う」
「けれど、チャンピオンシップを考えると、アップダウンがある。これはわからない。重要なことは、常に全力を尽くしてレースをするということなんだ」
「僕がここにいるのは、(バレンティーノ・)ロッシのおかげ(※モルビデリはロッシが設立したイタリア人若手ライダーの育成を目的とする『VR46ライダーズアカデミー』に、初年度から所属)。僕を信じてくれていた。レースで競い合うのは不思議な状況ではあるけれどね。レースが終わったとき、友人や叔父、兄弟のようになる。レース後、VR46アカデミーのみんながいてくれて、すばらしい瞬間だった」
■ヨハン・ザルコ(エスポンソラーマ・レーシング)/決勝:3位
「目標は、いいスタートを切って前に出ることだった。けれどスタートでミスをして、ポジションを落としてしまった。(トップに立った)フランコが離れていったとき、このペースならついていけると思っていた。けれど、他のライダーたちをオーバーテイクすることができなかったんだ」
「それからは複雑で、数周後には序盤に感じたアドバンテージを感じられなくなってしまった。さらに数周後には、ポル(・エスパルガロ)が僕を交わそうとしたときにいくつかのミスをして、接触したんだ。それからは、またフィーリングがよくなった。ファビオをとらえようと攻め始めたよ。でも、(ポルとの接触のことが)心配ではあった。ルールはとても厳しいとわかっていたから」
「ペナルティの通知がなかったから安心していたんだけど、ずいぶん経ってファビオをオーバーテイクして彼を離したころにロングラップ・ペナルティが科された。残念だったよ。だって、ポジションを失うことになると思ったからね。表彰台争いからも脱落するだろうと思っていた。けれど、ロングラップ・ペナルティを消化しても、ポジションを落とさずにいることができた」
「フランコを追いかけようと集中すれば、少なくとも表彰台を守れるだろうと思ったんだ。これはうまくいったね。残り2周ではリンスがやって来たけれど、最後のセクターではうまくラインを閉じて、ポジションを守ることができたよ」
「(ザルコも所属していたアキ・アジョのチームで同じくレースをしていたビンダーがKTMで優勝したことは)うれしいね。僕ができなかったことだ。KTMは冬の間に、バイクについて大きな前進を果たした。でも、彼がまっさらな気持ちでKTMに乗ったこと、それがKTMで適切な仕事をするのに役立ったんだろうね。そして今、すでに彼は証明しているよ」
「彼の優勝もうれしいし、僕も同じく満足している。ドゥカティにいて、よくなっていると感じているからね。自信を取り戻すことができたんだ」